業種別ECECのミカタ マーケティング事業部

化粧品・コスメECの始め方【薬機法対応・物流・おすすめカート】

化粧品・コスメECの始め方【薬機法対応・物流・おすすめカート】

化粧品ECやコスメECの始め方を解説。薬機法・成分表示・「アンチエイジング」などの広告表現、許認可、温度管理・ロット管理に対応した物流、ECカートの比較基準、開業前チェックリストを紹介します。

化粧品ECの立ち上げでは、一般的なネットショップ開業の準備に加えて、薬機法を踏まえた商品区分の確認、容器・外箱・商品ページの表示整備、広告表現の審査、品質を維持する物流体制の構築が必要です。

特に注意したいのが、「売れる表現」と「法令に抵触しない表現」の両立です。商品ページだけでなく、ランディングページ(LP)、広告バナー、SNS投稿、インフルエンサーの紹介文、メルマガ、同梱チラシ、レビューの見せ方まで、消費者に商品の効果や性能を伝える媒体は確認対象になり得ます。

また、化粧品は温度変化や直射日光、液漏れ、破損、ロット管理など、物流面にも特有の課題があります。カートを先に決めるのではなく、「誰に、何を、どの販売方法で届けるのか」を明確にしたうえで、法令確認・ECシステム・物流・カスタマーサポートを一体で設計することが重要です。

本記事では、化粧品ECやコスメECの始め方について、以下の観点から整理します。

  • 化粧品ECで確認すべき許認可・商品区分
  • 薬機法・景品表示法を踏まえた広告表現
  • 成分表示や商品ページの作成ルール
  • 化粧品に適した物流倉庫・温度管理
  • 自社ECカートの比較基準
  • 開業までの実行手順とチェックリスト
  • 開業後に見るべきKPIと改善ポイント

なお、薬機法、関連通知、表示ルール、許認可の要否は、商品内容や事業者の立場によって変わるほか、制度改正によって更新される可能性があります。公開前および運用時点で、厚生労働省、都道府県、消費者庁などの公式情報を確認し、必要に応じて薬事に詳しい専門家や行政書士、弁護士などへ相談してください。

化粧品ECとは|一般的なEC開業と異なる3つのポイント

化粧品ECとは|一般的なEC開業と異なる3つのポイント

化粧品ECとは、スキンケア、メイクアップ、ヘアケア、ボディケア、フレグランスなどの化粧品を、インターネット上で販売する事業です。

販売形態には、次のような種類があります。

  • 自社ブランドを販売するD2C
  • OEMで開発した商品を販売する自社EC
  • メーカー・卸から仕入れて販売する小売型EC
  • Amazonや楽天市場などのモール出店
  • 定期購入を中心とした通販型ビジネス
  • サロン・美容室・小売店向けのBtoB販売
  • 海外顧客を対象にした越境EC
  • 実店舗とECを連携させるオムニチャネル型

化粧品ECは、販売チャネルだけを見るとアパレルや雑貨のECと似ています。しかし、化粧品には「人体に使用する商品」であることによる法令・品質管理上の特徴があります。

薬機法を踏まえた広告表現が必要

薬機法では、化粧品を含む医薬品等について、名称、製造方法、効能、効果、性能に関する虚偽・誇大な広告が禁止されています。また、医師などが効果を保証していると誤解されるおそれのある表現も規制対象です。

”

参照元

医薬品等の広告規制について ↗

厚生労働省

そのため、化粧品ECの商品ページでは、単に「自社が魅力的だと考える表現」を掲載するのではなく、以下を確認する必要があります。

  • 商品が化粧品、医薬部外品、医薬品のどれに該当するか
  • 表示・広告できる効能効果の範囲
  • 成分の説明が医薬品的な印象を与えないか
  • 使用者の体験談が過度な効果を示していないか
  • ビフォーアフター画像が効果を保証する印象になっていないか
  • 医師・専門家・美容家などの推薦表現が保証に見えないか

商品情報の整合性が求められる

化粧品では、パッケージや外箱に記載した内容と、ECサイトの商品ページ、広告、SNS投稿などの情報が一致していなければなりません。

たとえば、商品ページに「全身用」と記載している一方で、外箱には顔用としか記載されていない場合、使用部位について消費者が誤認する可能性があります。

同様に、次のような情報の不一致にも注意が必要です。

確認項目
不整合の例
起こり得る問題
商品名
ECページと容器で表記が異なる
同一商品か判断しにくい
容量
商品画像は100mL、説明文は120mL
内容量の誤認
成分
商品ページと外箱の全成分が異なる
表示不備・問い合わせ増加
使用方法
ページでは朝晩、容器では1日1回
適切な使用方法を案内できない
使用上の注意
ECページに注意事項がない
肌トラブル時の説明不足
効能表現
広告だけが強い効果を訴求
薬機法・景品表示法上のリスク
販売条件
LPと最終確認画面で定期条件が異なる
特定商取引法上の問題

品質を守る物流設計が欠かせない

化粧品は、商品によって保管条件や安定性が異なります。高温、凍結、直射日光、急激な温度変化などによって、色、香り、粘度、分離状態、容器の状態などに影響が生じる可能性があります。

すべての商品を一律に冷蔵保管すればよいわけではありません。商品仕様、安定性試験、製造元の指示、表示された保存条件などを確認し、必要な保管環境を定めることが重要です。

物流会社を選ぶ際は、単に「化粧品を扱えるか」だけでなく、次の実績を確認しましょう。

  • 化粧品の入荷検品
  • ロット別在庫管理
  • 先入れ先出し
  • セット組み
  • サンプル同梱
  • ギフト包装
  • 液体商品の梱包
  • 破損・液漏れ対策
  • 返品商品の検品
  • 温度・湿度の記録
  • 出荷停止や回収時の対応
  • 個人情報を含む受注データの管理

化粧品ECで特に確認すべき点

化粧品ECで特に確認すべき点

商品区分と自社の立場を整理する

化粧品ECを始める前に、まず「何を販売するのか」と「自社がどの立場で関与するのか」を整理します。

薬機法上の化粧品は、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚・毛髪を健やかに保つ目的で使用され、人体への作用が緩和なものと定義されています。医薬部外品や医薬品とは、目的や効能効果、規制の仕組みが異なります。

同じ「美容商品」と呼ばれるものでも、実際の商品区分によって確認事項は変わります。

商品区分
主な特徴
EC運営で確認すること
化粧品
人体への作用が緩和で、清潔・美化・肌や毛髪を健やかに保つ目的
表示可能な効能の範囲、全成分表示、広告表現
医薬部外品
厚生労働大臣が指定する一定の効能効果を持つもの
承認内容、承認された効能効果、表示・広告の整合性
医薬品
疾病の診断・治療・予防などを目的とするもの
販売方法、許可、広告、専門家関与など
雑貨・美容器具
薬機法上の化粧品に該当しない商品
薬機法以外の法令、医療的な標ぼうの有無
食品・サプリメント
口から摂取する商品
食品表示法、健康増進法、景品表示法など

商品区分を誤ると、広告表現だけでなく、許認可、表示、販売方法、回収対応まで影響します。商品企画の段階で、製造元やOEM会社から商品区分を示す資料を受け取り、社内で保管しておきましょう。

許認可は「ECかどうか」ではなく、自社の役割で確認する

化粧品をインターネットで販売する場合も、必要な許可は商品調達と自社の役割によって変わります。「ECで売るだけだから不要」「自社ブランドだから必ず自社に製造販売業許可が必要」と、販売チャネルやブランド名だけで判断しないことが大切です。

国内の化粧品製造販売業者から製品を仕入れ、表示・包装を一切変更せず販売する場合は、薬機法上の許可は不要とされています。一方、自社の製品として市場へ出荷する製造販売や、製造、輸入には必要な許可の確認があります。

薬機法上の「製造販売」は、単に店で商品を販売することとは異なります。製造販売業者は市場へ出荷する製品の品質・安全管理に関わる責任を担います。まずは、誰が製造販売業者になるのかを契約と表示で確認しましょう。

商品調達と自社の役割
許認可の確認の方向
契約・運用で確認すること
国内流通済みの化粧品を仕入れ、表示・包装を変更せず販売する
この条件では薬機法上の許可は不要とされる
仕入れ元、製造販売業者、正規の商品表示、広告の根拠、返品・品質情報の連絡先
OEMへ製造を委託し、自社が製造販売業者として市場へ出荷する
自社の化粧品製造販売業許可を確認する。製造は必要な許可を持つ製造所に委託する
品質・安全管理体制、表示作成、出荷判定、品目届出、回収対応
OEM先等が製造販売業者となり、自社は市場出荷後の商品を仕入れて販売する
自社の実際の行為が仕入れ販売の範囲か確認する
製造販売主体、表示名義、出荷の流れ。自社が追加の包装・表示等を行わないか
自社が輸入し、自社の責任で市場へ出荷する
化粧品製造販売業許可と、製造業許可が必要な包装・表示・保管等の体制を確認する
国内表示、成分資料、輸入前の確認、製造所、出荷判定、品質・回収体制
自社で製造し、自社が製造販売業者として市場へ出荷する
化粧品製造業許可と化粧品製造販売業許可を確認する
製造所、品質・安全管理、人員、商品表示、出荷判定、品目届出

上表は代表的な役割の整理です。ブランド名の所有と、製造販売業者であることは同じではありません。実際の製造・輸入・出荷の流れに照らして、管轄の都道府県の薬務担当部署へ確認してください。

また、製造業許可の対象となる「包装・表示・市場出荷前の保管」と、市場へ出荷済みの商品を一般の物流倉庫で保管・配送することは、役割を分けて確認します。通常配送用の梱包と、法定表示や製造工程に関わる包装も混同しないでください。

薬機法上の許可が不要となる仕入れ販売であっても、広告表現や通信販売の表示などの確認は必要です。許可の要否だけで開業準備を完了とせず、表示・広告・品質情報の連絡体制まで整えておきましょう。

OEMを利用する場合の責任範囲

OEM会社に製造を委託しても、自社が担当する広告や契約上の業務についての確認事項は残ります。契約前に、製造販売業者、表示の確認者、品質・安全情報の担当、回収対応を明確にしましょう。

確認項目
契約前に決める内容
確認資料の例
製造販売主体
誰が市場へ出荷する製品の製造販売業者になるか
許可情報、契約書、容器・外箱の表示原稿
品質・商品資料
全成分、保管条件、安定性等の資料を誰が作成・保管するか
商品仕様書、試験・評価資料
表示・広告
容器・外箱と、ECページ・LP・SNS等を誰が確認するか
校正履歴、表現確認記録
ロット・出荷
ロット情報を誰が管理し、出荷可否を誰が判断するか
出荷手順書、ロット記録
不具合・回収
苦情・品質不具合の報告ルート、回収連絡、費用分担
対応フロー、契約上の分担表

契約で作業や費用を分担しても、法令上の責任がそのまま別の事業者へ移るわけではありません。品質・安全管理の役割と、広告を作成・掲載する自社の役割を分けて確認してください。

仕入れ販売の場合

国内メーカーや卸から仕入れる場合は、商品自体の表示が整っていることが多い一方、販売者が独自に作成する説明文や広告表現には注意が必要です。

メーカーが使用している表現だからといって、自社の広告媒体にそのまま掲載できるとは限りません。商品ページに追加したキャッチコピー、SNS投稿、比較表現、ランキング表示などは、自社の広告として確認しましょう。

輸入販売の場合

海外ブランドの化粧品を輸入して販売する場合は、国内で販売する責任主体、表示の付け替え、成分確認、輸入手続き、ロット管理などが必要になります。

並行輸入品であっても、化粧品を業として輸入販売する場合は、許可や表示などの確認が必要となる場合があります。厚生労働省は、並行輸入化粧品についても、配合成分や性状を確認したうえで輸入することなどを示しています。

海外パッケージを日本語に翻訳して掲載するだけでは、国内向けの表示要件を満たせない可能性があります。輸入を検討する場合は、通関業者だけでなく、薬事や品質管理に詳しい専門家へ相談することが安全です。

化粧品ネットショップ開業前に決めるべき事業設計

化粧品ネットショップ開業前に決めるべき事業設計

カートや物流会社を先に決めると、後から機能不足や運用コストの増加が起こりやすくなります。まずは「誰に、何を、どのチャネルで、どの頻度で販売するのか」を決めましょう。

ターゲットと購入シーンを定義する

化粧品は、ターゲットによって必要な商品情報や購入導線が大きく変わります。

たとえば、次のような違いがあります。

ターゲット
重視されやすい情報
必要なEC施策
初めて購入する人
使用方法、肌質、注意事項、返品条件
FAQ、使用動画、チャット、レビュー
リピーター
再購入のしやすさ、定期便、購入履歴
定期購入、マイページ、リマインド
敏感肌層
成分、香料、使用上の注意
成分一覧、注意事項、相談窓口
ギフト購入者
ラッピング、配送日、メッセージ
ギフト設定、納品書制御、配送指定
サロン・小売店
卸価格、最小ロット、納期
会員承認、掛け率、BtoB受注
海外顧客
成分・使用方法の多言語対応
多言語表示、越境配送、関税案内

「20代女性向け」のような大きな分類だけでなく、「朝の時短ケアを求める人」「肌悩みに合わせて成分を比較したい人」「美容室で使っている商品を再購入したい人」のように、購入目的まで具体化すると、コンテンツと機能の優先順位を決めやすくなります。

単品販売か定期購入かを決める

化粧品ECでは、定期購入を導入することで再購入の手間を減らせます。一方で、定期購入は契約条件、解約方法、次回発送日、最低購入回数、初回と2回目以降の価格などを明確に表示する必要があります。

定期購入を導入する場合は、次の項目を商品ページと注文最終確認画面で確認してください。

  • 1回あたりの支払金額
  • 2回目以降の価格
  • 商品の数量
  • 発送間隔
  • 次回発送日
  • 総支払額
  • 解約期限
  • 解約方法
  • 解約受付の連絡先
  • 返品・キャンセル条件
  • 定期購入であることの表示

通信販売広告では、販売価格や送料などの表示が必要です。消費者庁は、ウェブサイトや電子メールなどのインターネット広告も通信販売広告に含まれ、送料は金額を明確に表示する必要があると案内しています。

”

参照元

通信販売広告について ↗

消費者庁|特定商取引法ガイドホームページ

開業前チェックリスト|化粧品ECの要件整理

開業前チェックリスト|化粧品ECの要件整理

以下の項目を、プロジェクト開始時にスプレッドシートなどへ転記して管理します。

確認項目
主な確認内容
主担当の例
完了条件
販売形態
自社EC、モール、BtoB、定期、越境の有無
経営・EC責任者
販売チャネルが決定している
商品供給
自社製造、OEM、仕入れ、輸入
商品企画・購買
供給元と契約条件が確定している
商品区分
化粧品、医薬部外品、その他
品質管理・薬事
区分の根拠資料を保管している
許認可
自社に必要な許可・届出の有無
法務・薬事
行政または専門家に確認済み
表示
容器、外箱、商品ページ、広告の整合性
薬事・制作
校正記録が残っている
成分情報
全成分、容量、使用方法、注意事項
商品企画
最新資料と商品ページが一致
EC機能
定期、会員、卸価格、在庫、受注連携
EC・情シス
テスト注文で確認済み
物流
温度帯、ロット、液漏れ、同梱、返品
物流
SOPと委託先の責任範囲が確定
CS
肌トラブル、返品、配送事故への対応
CS・品質
エスカレーション表がある
販売条件
価格、送料、返品、定期条件
EC・法務
特商法ページと最終確認画面が一致
計測
CVR、LTV、継続率、欠品率など
EC責任者
ダッシュボードで確認できる
セキュリティ
アカウント、決済、個人情報、権限
情シス
権限・ログ・バックアップを確認済み

すべてを内製する必要はありません。ただし、外部のOEM会社、物流会社、制作会社、広告代理店、カート提供会社へ委託する場合でも、最終的な確認責任の所在は曖昧にしないようにしましょう。

化粧品ECで押さえる薬機法・表示ルール

化粧品ECで押さえる薬機法・表示ルール

薬機法上の広告に該当し得る媒体

広告表現の確認対象は、商品ページだけではありません。次の媒体を一覧化し、公開前に確認する仕組みを作ります。

  • ECサイトの商品詳細ページ
  • 商品一覧ページ
  • 特集ページ
  • ランディングページ
  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • SNS投稿
  • SNS広告
  • インフルエンサー投稿
  • メルマガ
  • LINE配信
  • 同梱チラシ
  • パッケージ
  • 外箱
  • 店頭POP
  • 動画
  • ライブコマース
  • 口コミ・レビューの引用
  • アフィリエイター向け素材

薬機法の広告規制では、虚偽・誇大な内容かどうかが明示的な表現だけでなく、暗示的な表現も含めて問題になります。

”

参照元

医薬品等の広告規制について ↗

厚生労働省

たとえば、「肌の生まれ変わりを促す」という文言だけでなく、古い角質が剥がれ落ちて新しい肌になることを示すイラストやビフォーアフター画像を組み合わせることで、医薬品的な効果を暗示していると受け取られる可能性があります。

化粧品で表現できる効能の範囲を確認する

厚生労働省は、化粧品の効能の範囲について通知を示しています。代表的な表現には、次のようなものがあります。

  • 肌を整える
  • 肌のキメを整える
  • 皮膚をすこやかに保つ
  • 肌にうるおいを与える
  • 肌の乾燥を防ぐ
  • 肌を柔らげる
  • 肌を滑らかにする
  • 肌を引き締める
  • 肌を清浄にする
  • 肌を健やかに保つ
  • 毛髪にはり・こしを与える
  • 毛髪にうるおいを与える
  • フケ、かゆみを抑える
  • 爪を保護する
  • 香りにより毛髪や頭皮の不快臭を抑える

「乾燥による小ジワを目立たなくする」という効能が追加された一方、一定の試験等による確認が必要とされる点には注意が必要です。

ただし、上記の文言を使えば自動的に問題がなくなるわけではありません。商品区分、商品の使用部位、実際の性状、広告全体の印象、画像やデザインとの組み合わせによって判断されるため、表現単体ではなく広告全体で確認します。

表現は言い換えるだけでなく、商品の効能と根拠から確認する

「アンチエイジング」「シワを消す」「肌を再生する」といった表現は、老化防止、治療、身体の機能への作用などを示す印象を与えることがあります。化粧品の商品ページでは、まず商品の区分と、その製品に該当する効能の範囲を確認しましょう。

一般化粧品の効能の範囲と、医薬部外品として承認された効能は分けて確認します。同じ美容商品でも、使える表現が同じとは限りません。成分名、見出し、画像、体験談を組み合わせた広告全体の印象にも注意が必要です。

この表は、一律のNG→OK変換表ではありません。
右列にある条件を確認し、実際の商品に該当する場合に限って表現を検討してください。言葉を弱めても、同じ効果を暗示している場合は問題が残ります。

問題になり得る表現
伝えたい価値を見直す方向
使用前に確認する条件
アンチエイジング
年齢に応じた保湿ケアや、肌にうるおいを与えることを説明する
老化防止・若返りを示す文脈を残さない。 「エイジングケア」と置き換えるだけで適否が決まるわけではない
シワを消す
対象製品では「乾燥による小ジワを目立たなくする」を検討する
所定のガイドラインに基づく試験、または同等以上の適切な試験で効果を確認した製品に限る。 すべてのシワへの効果を示さない
たるみを改善する
肌にはりを与える、肌をひきしめるなど、該当する効能を説明する
当該製品の効能・性状に合うか確認する。 輪郭の引き上げや組織の変化を画像・本文で暗示しない
シミを消す
日やけによるシミ・そばかすを防ぐなど、該当する予防の効能を説明する
日やけ防止等の効能が該当する製品か確認する。 既存のシミを消すこととは区別する。医薬部外品はその製品の承認効能を確認する
ニキビを治す
洗顔料では「洗浄によりニキビを防ぐ」という方向を検討する
洗浄による予防と治療を区別する。 一般化粧品では洗顔料に限定された効能を確認し、他製品へ一律に転用しない
毛穴をなくす
該当する場合、メイクアップ効果により毛穴を目立たなく見せることを説明する
実際のメイクアップ効果と根拠を確認する。 毛穴自体が消える・縮むと受け取られる表示にしない
肌細胞を再生する
肌にうるおいを与える、肌を整えるなど、該当する効能を説明する
細胞への作用や再生を文章・画像で暗示しない。 成分の説明からも医薬品的な効果を連想させない
肌の炎症を抑える
該当する化粧品では「肌荒れを防ぐ」などの効能を説明する
「肌荒れを防ぐ」は化粧品の効能範囲にも含まれるが、炎症の治療・抑制と同じ意味ではない。 当該製品に該当するか確認する
肌質を改善する
肌を整える、肌をすこやかに保つなど、実際の効能を説明する
肌の性質を根本的に変える表現にしない。 効能の範囲と商品の性状に対応させる
脂肪を燃焼する
化粧品の効果として訴求しない
化粧品の効能の範囲では説明できない身体機能への作用を、言い換えで残さない

表現の方向性は、化粧品の効能の範囲と、その取扱いに関する通知を踏まえた確認例です。表の右側を転載しただけで適法になることを保証するものではありません。

例えば、試験による効果が確認されていない製品について、「シワを消す」を「乾燥による小ジワを目立たなくする」に変更しても、その効能を訴求できるとは限りません。また、文章を「肌にうるおいを与える」に変えても、若返りを連想させる画像や体験談が残っていれば、広告全体の確認が必要です。

商品ページを作る際は、製造販売業者の資料、承認内容がある場合はその内容、試験・評価資料、容器・外箱の表示を確認します。使用する表現と根拠資料をひも付け、公開前の確認者と確認日を記録しておきましょう。

ビフォーアフター画像は慎重に扱う

ビフォーアフター画像は、化粧品の効果を直感的に伝えやすい一方、使用前後の変化を商品効果として保証する印象になりやすい表現です。

使用する場合は、少なくとも次の確認が必要です。

  • 撮影条件が同一か
  • 照明、角度、メイク、肌状態が異なっていないか
  • 使用期間や使用方法が明示されているか
  • 特定の個人の結果を一般化していないか
  • 画像だけで医薬品的な効果を示していないか
  • 注釈が小さすぎないか
  • 商品以外の施術や生活習慣の影響を排除できるか

画像の注釈を付ければ必ず適法になるわけではありません。画像と見出し、本文、口コミなどを含む広告全体で、消費者がどのような認識を持つかを確認します。

体験談・レビュー・インフルエンサー投稿

「使ったらシワが消えた」「ニキビが治った」「肌が若返った」といったレビューを、事業者が選択して掲載したり、広告素材として活用したりすると、広告全体として効果を訴求していると受け取られる可能性があります。

景品表示法では、効果・性能に関する表示について、客観的に実証された内容と表示内容が適切に対応している必要があります。消費者庁は、試験・調査結果や専門家の見解などが合理的な根拠となり得る一方、表示された効果と根拠が対応していなければならないと説明しています。

レビュー運用では、次のルールを社内で定めます。

  • 事業者が投稿内容を編集する範囲
  • 効果を強く示すレビューの掲載基準
  • 医薬品的な体験談の削除・非表示基準
  • ネガティブレビューを恣意的に隠さない方針
  • インフルエンサーへの禁止表現リスト
  • 広告であることの明示方法
  • 投稿前の薬事チェック
  • 投稿後に問題が判明した場合の修正・削除手順

「No.1」「満足度」の表示

「売上No.1」「顧客満足度No.1」「医師の○%が推奨」といった表示は、根拠が不十分だと景品表示法上の問題になる可能性があります。

消費者庁は、No.1表示や高評価%表示について、比較対象、調査対象者、調査方法、表示内容との対応が適切であることを確認する必要があるとしています。第三者の調査会社に依頼した場合でも、広告主側が内容を確認する責任を負います。

掲載前に、次の資料を保存しておきましょう。

  • 調査実施日
  • 調査対象の商品・サービス
  • 比較対象の選定理由
  • 調査対象者の条件
  • 質問文
  • 回答結果
  • 集計方法
  • 調査会社との契約書
  • 表示文言との対応関係

化粧品の成分表示と商品ページの作り方

化粧品の成分表示と商品ページの作り方

パッケージ・外箱・ECページの情報を統一する

化粧品では、容器や外箱に必要な事項が表示されます。薬機法第61条では、化粧品の直接の容器または直接の被包について、製造販売業者の氏名・名称と住所、名称、製造番号・製造記号などの記載事項が定められています。

ECサイトでは、法定表示をそのまま掲載するだけでなく、購入判断に必要な情報を分かりやすく整理します。

商品ページの項目
掲載内容の例
確認ポイント
商品名
正式な販売名・ブランド名
容器・外箱と一致しているか
内容量
30mL、100gなど
単位・数字に誤りがないか
全成分
成分名を一覧表示
最新の処方資料と一致しているか
使用方法
使用量、使用タイミング
容器表示と一致しているか
使用上の注意
肌に異常が出た場合など
注意喚起が不足していないか
保存方法
直射日光を避けるなど
製造元の指示と一致しているか
商品特徴
テクスチャー、香り、使用感
効能効果を逸脱していないか
原産国
原産国表示
仕入れ資料と一致しているか
販売者情報
会社名、所在地、連絡先
特商法表記と一致しているか
価格・送料
税込価格、送料、定期条件
最終確認画面と一致しているか

全成分表示のデータをマスタ化する

全成分表示は、商品ページの文章に直接入力するのではなく、商品マスタとして管理することをおすすめします。

最低限、次の項目を管理しましょう。

  • 商品コード
  • 商品名
  • バージョン
  • 内容量
  • 全成分表示
  • 使用方法
  • 使用上の注意
  • 保存方法
  • 原産国
  • 製造販売元
  • ロット情報
  • 処方変更日
  • パッケージ変更日
  • 確認者
  • 確認日
  • 掲載開始日
  • 旧情報の掲載終了日

処方変更やパッケージ変更があった場合、ECページ、広告素材、モールページ、同梱物、取扱説明書を一括で更新できるようにしておくと、古い情報の残存を防げます。

成分の特記表示に注意する

特定の成分だけを大きく表示すると、消費者に「その成分が主成分である」「通常の化粧品より効果や安全性が高い」と誤認させる可能性があります。

厚生労働省は、化粧品における特定成分の特記表示について、成分名と配合目的を併記する考え方を示しています。一方、「薬」の字を含む成分名や、医薬品のような印象を与える表示には注意が必要です。

たとえば、商品ページで特定成分を強調する場合は、次のように整理します。

  • 成分名だけを大きく表示しない
  • 成分の配合目的を明記する
  • 成分が主成分であると誤認させない
  • 「治療」「改善」「再生」などの医薬品的表現と組み合わせない
  • 全成分表示との関係を確認する
  • 成分の由来や原料の説明に根拠を持つ

化粧品ECのカート比較|販売方法・機能・料金で選ぶ

化粧品ECのおすすめカート|機能ではなく適合条件で比較する

化粧品ECのカート選びでは、知名度や初期費用だけで判断しないことが重要です。必要な機能は、商品数、販売チャネル、定期購入の有無、BtoB対応、物流連携、広告運用、顧客データの活用方針によって変わります。

カートの比較軸

比較項目
小規模・単品販売
定期通販・D2C
BtoB併用
大規模・多チャネル
商品登録
少数で扱いやすいか
バリエーション管理が必要
卸条件の登録が必要
大量登録・一括更新が必要
定期購入
不要または簡易
必須
取引先別条件が必要
複雑な契約管理が必要
顧客管理
基本的な会員機能
購入履歴・継続状況
企業・担当者単位
CDP・CRM連携
価格設定
通常価格、セール
初回・継続価格
掛け率・会員ランク
チャネル別価格
在庫管理
基本在庫
セット・定期引当
倉庫・店舗連携
複数拠点・OMS
コンテンツ
商品ページ中心
LP・広告導線
取引条件の案内
CMS・多言語
外部連携
決済・配送
MA・広告・CRM
ERP・受発注
API・データ基盤
権限管理
少人数向け
制作・薬事・CSを分離
企業別閲覧制御
多部門・監査ログ
分析
売上・アクセス
LTV・継続率
取引先別売上
チャネル別収益性

小規模に始める場合の選び方

商品数が少なく、まずは単品販売で需要を検証したい場合は、次の条件を優先します。

  • 商品登録が簡単
  • 決済・配送設定が分かりやすい
  • スマートフォン表示を調整しやすい
  • 特商法表記を整備しやすい
  • レビューや問い合わせ機能を追加できる
  • 売上・注文データを出力できる
  • 将来の顧客データ移行が可能
  • 月額費用だけでなく決済手数料を確認できる

低コストで始められることはメリットですが、定期購入、複雑なセット商品、BtoB価格、外部システム連携などを後から追加すると、乗り換えが必要になることがあります。

D2C・定期通販を重視する場合の選び方

自社ブランドで化粧品を継続購入してもらう場合は、売上を増やす機能だけでなく、継続率と解約理由を把握できる機能を確認します。

  • 定期購入の周期設定
  • スキップ・休止・解約
  • 次回配送日の変更
  • 商品同梱の変更
  • 定期顧客へのアップセル
  • 初回・2回目以降の価格設定
  • 継続回数別の分析
  • 休眠顧客への再購入施策
  • 電話・メール・マイページでの解約導線
  • 受注データと物流システムの連携

定期購入の導入では、購入者が契約条件を正しく認識できることが最優先です。購入ボタンの直前だけでなく、商品ページ、申込画面、最終確認画面、注文完了メールで条件が一致しているかをテストします。

BtoB化粧品ECを併用する場合の選び方

サロン、美容室、エステ、小売店、卸先へ販売する場合は、一般消費者向けのEC機能だけでは不十分なことがあります。

確認したい機能は次のとおりです。

  • 取引先ごとの会員承認
  • 企業単位・担当者単位のアカウント管理
  • 取引先別価格
  • 掛け率、卸価格、最低注文金額
  • 最小ロット
  • 掛け払い・請求書払い
  • 取引先別の販売可能商品
  • 見積もり・発注書
  • リピート発注
  • 在庫・納期表示
  • 受注データのCSV出力
  • 基幹システムや販売管理システムとの連携

BtoCとBtoBを同じサイトで運営する場合、価格表示の誤公開や、一般顧客への卸価格表示が起きないように、権限管理と画面テストを行います。

化粧品ECで比較したいカート3サービス

化粧品ECのカート料金は、月額料金だけでなく、注文が入るたびに発生する手数料と、必要な機能を追加する費用まで含めて比較します。

固定費が低いプランでも、売上が増えると決済手数料の負担が大きくなる場合があります。一方、固定費が高いプランは、注文数が少ない段階では負担が大きくなります。開業時の売上だけでなく、注文が増えた場合の費用も確認しておきましょう。

ここでは、BASE、Shopify、ecforceの主なプランを比較します。各サービスで標準機能や追加費用の範囲が異なるため、料金の低さだけで順位を付けるのではなく、自社の販売方法と運用体制に合うかを確認することが重要です。

化粧品ECのカートは、「有名だから」「月額料金が安いから」だけで選ばず、販売方法に合うかを確認しましょう。少数の商品を単品販売する場合と、定期購入を中心にブランドを運営する場合では、必要な機能も運用体制も異なります。

ここでは、小さく販売を始める場合、アプリを組み合わせて機能を拡張する場合、定期通販の運用をまとめて管理する場合の違いが分かるよう、BASE、Shopify、ecforceを比較します。すべてのカートを網羅したランキングではなく、販売条件に応じて候補を絞るための比較例です。

販売方法から比較する

サービス
比較候補にしやすいケース
定期購入機能の位置づけ
契約前に確認したい条件
BASE
初期・月額の固定費を抑え、少数商品で販売を始めたい
無料の「定期便 App」を追加。販売サイクルと継続回数を設定できる
定期便の対応決済、販売周期、購入者の変更・解約手順、将来の外部連携要件
Shopify
商品販売を始めた後、アプリや外部サービスで運用を拡張したい
「Shopify Subscriptions」などのアプリを追加。採用アプリで機能・料金が変わる
定期購入に使える決済、アプリとテーマの互換性、必要なBtoB機能、物流との連携費
ecforce
定期通販の受注・顧客対応・分析をまとめて設計したい
定期管理、CS、マイページ等の機能を提供。関連プロダクトは料金範囲を別途確認
初期費用、受注従量課金、契約期間、プラン移行条件、必要な追加プロダクト

BASEの定期便は、クレジットカードと「PAY ID あと払い」に対応し、日本国外からの購入・国外配送には対応していません。定期販売と越境販売を組み合わせたい場合は、この条件を先に確認してください。

Shopify Subscriptionsでは、購入者がお客様アカウントから定期購入の再開、スキップ、キャンセルなどを管理できます。ただし、すべての定期購入アプリで同じことができるわけではありません。採用するアプリの仕様と対応決済を確認しましょう。

ecforceは、定期受注の管理、マイページ、顧客対応、外部システム連携などを案内しています。一方、機能紹介ページには関連プロダクトも含まれるため、必要な機能が基本契約に含まれるか、追加契約かを見積書で分けて確認してください。

初期費用・固定月額・従量費を分けて比較する

サービス・プラン
システムの初期費用
固定月額(月払い)
年払いの月額換算
主な注文・決済手数料
BASE スタンダード
0円
0円
―
通常注文は決済手数料3.6%+40円/注文、サービス利用料3%
BASE グロース
0円
19,980円
16,580円
通常注文の決済手数料2.9%、サービス利用料0円
Shopify Basic
セットアップ手数料なし
4,850円
3,650円
Shopify Paymentsの標準オンラインカード料率3.55%
Shopify Grow
セットアップ手数料なし
13,500円
10,100円
Shopify Paymentsの標準オンラインカード料率3.4%
Shopify Advanced
セットアップ手数料なし
58,500円
44,000円
Shopify Paymentsの標準オンラインカード料率3.25%
ecforce スタンダード
148,000円
49,800円
―
1受注につき30円。決済手数料は別途
ecforce エキスパート
248,000円
99,800円
―
1受注につき30円。決済手数料は別途
”

参照元

Shopify の料金プラン ↗

Shopify

”

参照元

ECforce 料金プラン ↗

ecforce

料金確認日:2026年10月15日。金額は各社の公式表示額で、税込・税別を統一した比較ではありません。制作・初期設定を外部へ依頼する費用や、追加機能の費用は含めていません。キャンペーン料金は除外しています。

BASEグロースの年払いは、12ヶ月分198,960円(税込)をまとめて支払う方式です。Shopifyの年払いも、毎月支払う場合とは請求サイクルが異なります。ecforceは両プランとも1年契約と案内されているため、支払い時期や更新・解約条件を契約前に確認してください。

BASEでは、スタンダードとグロースで利用できる機能やサポートに違いはないと案内されています。Shopifyでは、プランによってスタッフアカウント数などの機能条件が変わります。ecforceでは、スタンダードが共用サーバー・月2,000受注まで、エキスパートが専用サーバー・受注数無制限という違いがあります。

売上規模に応じた毎月の費用を比較する

固定月額と、決済・受注手数料を合計すると、同じプランでも毎月の費用は売上と注文数に応じて変わります。以下は、1注文あたりの請求総額を5,000円として計算した例です。

比較条件は、次のようにそろえています。

  • 固定料金は月払いを使用する
  • 月商は、送料・消費税を含む購入者への請求総額とする
  • BASEはPAY IDアプリ経由ではない通常のカード注文とする
  • ShopifyはShopify Paymentsの標準オンラインカード料率が適用される注文とする
  • 返品・キャンセルはなく、初期費用、追加アプリ、制作・保守、物流、広告、振込関係費用は含めない

以下の金額も、各社の公式表示額を用いた概算です。税区分の補正や個々の注文の端数処理をそろえた請求総額ではありません。

BASE・Shopify:固定月額と販売時の手数料を合計した例

サービス・プラン
月商10万円/20注文
月商50万円/100注文
月商100万円/200注文
月商500万円/1,000注文
BASE スタンダード
7,400円
37,000円
74,000円
370,000円
BASE グロース
22,880円
34,480円
48,980円
164,980円
Shopify Basic
8,400円
22,600円
40,350円
182,350円
Shopify Grow
16,900円
30,500円
47,500円
183,500円
Shopify Advanced
61,750円
74,750円
91,000円
221,000円

計算式は、BASEスタンダードが「月商×6.6%+注文数×40円」、BASEグロースが「19,980円+月商×2.9%」です。Shopifyは、各プランの固定月額に、月商と標準カード料率を掛けた金額を加えています。

ecforce:固定月額と受注料を合計した例(決済手数料は別途)

月商・注文数
スタンダード
エキスパート
月商10万円/20受注
50,400円+決済手数料
100,400円+決済手数料
月商50万円/100受注
52,800円+決済手数料
102,800円+決済手数料
月商100万円/200受注
55,800円+決済手数料
105,800円+決済手数料
月商500万円/1,000受注
79,800円+決済手数料
129,800円+決済手数料
月商1,250万円/2,500受注
受注上限を超えるため対象外
174,800円+決済手数料

計算式は、スタンダードが「49,800円+受注数×30円」、エキスパートが「99,800円+受注数×30円」です。決済手数料は利用する決済代行サービスによって変わるため、上表の金額だけでBASEやShopifyと総額を比較することはできません。

ecforceスタンダードは月2,000件を超えるとエキスパートへ自動移行し、移行初期費用198,000円が発生すると案内されています。上表は各プランを1ヶ月利用した場合の計算例で、移行月の請求額や日割りを示すものではありません。注文増加を見込む場合は、移行のタイミングと追加費用も確認しましょう。

決済方法と客単価による違いも確認する

同じ月商でも、客単価が低く注文数が多い場合と、客単価が高く注文数が少ない場合では費用が変わります。BASEスタンダードの40円/注文や、ecforceの30円/受注のように、件数に応じて発生する料金があるためです。

また、決済方法によって料率も変わります。BASEはPayPay、Amazon Pay、PayPalで決済料率に1%が加算されます。PAY IDアプリ経由の注文は別の料金体系となり、スタンダード・グロースともに合計9.5%+40円/注文です。

Shopifyも、Amexや海外カードでは標準カードと料率が異なります。外部決済サービスを利用する場合は、その決済事業者の手数料に加えて、Shopify側の外部サービス取引手数料が発生する場合があります。Shopify Paymentsの対象注文へ、一律に外部取引手数料を加えるわけではないため、利用する決済方法の適用条件を確認してください。

自社の業務シナリオで最終候補を決める

上記の試算は、カート料金の変わり方を確認するための例です。定期購入、レビュー、会員向け施策、BtoB対応、物流連携などの機能を同じ条件でそろえた比較ではありません。

化粧品ECでは、定期便の変更・解約、セット商品の在庫管理、倉庫へのデータ連携など、日々の運用に必要な機能も確認します。料金の安いプランでも、自社の業務に対応できず手作業が増えると、運用人件費が大きくなる可能性があります。

見積もりでは、次の費用を分けて確認しましょう。

費用項目
確認内容
初期費用・制作費
初期設定、デザイン、商品登録、データ移行が含まれるか
固定月額
契約期間、年払いの条件、プラン変更時の料金
決済・受注手数料
決済方法ごとの料率、注文ごとの固定費、返品時の扱い
追加機能
定期購入、レビュー、会員施策、BtoB機能の費用
外部連携・保守
物流、CRM、会計との連携費用とサポート範囲
運用人件費
商品更新、受注処理、問い合わせ対応に必要な工数
解約・移行
解約条件、違約金、商品・顧客・注文データの取得条件

カートは、現在の月商だけでなく、必要な機能、注文増加後の費用、運用工数を含めて比較することが重要です。 候補のサービスで実際の注文・定期変更・返品などをテストし、自社の販売方法に合うプランを選びましょう。

料金や機能は変更される可能性があるため、契約前には必ず各社の公式資料と見積書で確認してください。

固定費を抑えて販売を試したい場合は、BASEを候補にして、注文が増えた場合の手数料と必要な機能を確認します。ブランドの成長に合わせて運用を拡張したい場合は、Shopify本体と必要なアプリの合計費用を確認します。定期通販の受注・顧客対応を中心に運営する場合は、ecforceで実際の定期購入シナリオをデモ確認します。

どのカートでも、化粧品のロット追跡や保管条件の管理まで自動的に保証されるわけではありません。利用する倉庫やWMSと、注文・出荷・返品のデータをどのように連携するかを確認してください。

最終候補は、単品注文、定期購入、配送日変更、解約、返品など、自社で起こる注文を想定して絞り込みます。月額料金だけでなく、追加機能、手数料、制作費、日々の運用工数まで含めて判断しましょう。

化粧品特化の物流倉庫を選ぶポイント

化粧品特化の物流倉庫を選ぶポイント

化粧品物流で起こりやすい課題

化粧品は、商品単価やサイズが幅広く、液体・ガラス容器・ポンプ容器・チューブなど、梱包方法も多様です。

代表的な課題には、次のようなものがあります。

  • ボトルの破損
  • ポンプ部分の誤作動
  • キャップの緩みによる液漏れ
  • 外箱のつぶれ
  • 香りの強い商品による移り香
  • セット商品の入れ忘れ
  • サンプルの同梱漏れ
  • ロット違い商品の混在
  • 旧パッケージの誤出荷
  • 高温・低温による品質変化
  • 返品商品の再販可否判断
  • 回収対象ロットの特定

物流委託先を選ぶ際は、倉庫見学または運用資料の確認を行い、化粧品を扱うための具体的な手順があるかを確認しましょう。

温度管理は「温度帯」だけでなく記録方法を見る

「常温対応」と説明されていても、倉庫内の温度管理方法は事業者によって異なります。

確認項目は次のとおりです。

確認項目
確認する内容
保管温度
商品仕様に合った温度帯か
温度記録
記録頻度、測定場所、保存期間
最高・最低温度
異常値が発生した場合の通知方法
直射日光
入荷・保管・出荷場所で遮光されているか
空調停止
休日・夜間・停電時の対応
夏季配送
高温期の梱包・配送方針
冬季配送
凍結リスクのある地域への対応
異常時対応
出荷停止、隔離、品質確認の手順
記録提出
委託元が記録を閲覧できるか
商品別条件
SKUごとに異なる保管条件を設定できるか

商品によって適切な保存条件は異なるため、具体的な温度上限・下限を一律に設定しないようにします。製造元の資料、安定性試験、表示内容をもとに、商品ごとに判断してください。

化粧品の保管条件は、製造元の指示、商品仕様書、安定性に関する資料、容器・外箱の表示をもとに確認します。倉庫には、商品ごとの温度条件、温度の記録方法、異常時の連絡・出荷停止・品質確認の手順を伝え、委託契約と運用資料で対応範囲を明確にしましょう。

ロット管理と先入れ先出し

化粧品ECでは、製造番号や製造記号を管理できる体制が重要です。

ロット管理によって、次の対応が可能になります。

  • 特定ロットの出荷停止
  • 回収対象顧客の特定
  • 問い合わせ時の購入商品の確認
  • 品質不具合の発生傾向の分析
  • 期限や推奨使用時期に応じた出荷
  • 仕入れ先・製造元への報告

物流会社へ委託する場合は、次の質問を行います。

  1. ロット番号を入荷時に登録できるか
  2. ロット単位で在庫を確認できるか
  3. 先入れ先出しを設定できるか
  4. 特定ロットだけを出荷停止できるか
  5. 出荷済み顧客を抽出できるか
  6. 返品商品のロットを再登録できるか
  7. 商品画像やSKU変更履歴を管理できるか

梱包テストを実施する

化粧品の梱包は、倉庫の標準仕様をそのまま採用するのではなく、実物でテストします。

最低限、次のテストを行います。

  • 通常配送での振動テスト
  • 落下を想定した梱包確認
  • 液漏れ確認
  • ポンプ・キャップの緩み確認
  • 夏季の高温環境を想定した確認
  • 冬季の低温環境を想定した確認
  • セット商品の同梱確認
  • ギフト包装の破損確認
  • 返品時の再梱包確認

梱包資材は、単価だけでなく、破損率、作業時間、返品時の再利用性、ブランド体験とのバランスで選びます。

開業までの実行手順

開業までの実行手順

商品と販売モデルを確定する

最初に、次の内容を1枚の企画書へまとめます。

  • 商品名
  • 商品区分
  • ブランドコンセプト
  • ターゲット
  • 販売価格
  • 原価
  • 想定販売数
  • 販売チャネル
  • 単品・セット・定期の構成
  • 発売予定日
  • 商品供給元
  • 物流方法
  • CS窓口
  • 広告予算
  • 初年度のKPI

販売価格は、商品原価だけでなく、決済手数料、物流費、梱包資材、返品費、広告費、モール手数料、カート費用などを含めて試算します。

商品区分・許認可・責任体制を確認する

商品区分と自社の関与範囲を整理し、必要な許可・届出・責任体制を確認します。

確認先の候補は次のとおりです。

  • 所在地を管轄する都道府県
  • 厚生労働省の関連情報
  • 製造販売元
  • OEM会社
  • 薬事コンサルタント
  • 行政書士
  • 弁護士

「販売だけだから許認可は不要」と自己判断せず、仕入れ、輸入、保管、表示、広告、製造販売の役割を分解して確認しましょう。

商品マスタと表示原稿を作成する

商品ごとに、次の情報をまとめます。

  • 商品名
  • 商品コード
  • 内容量
  • 全成分
  • 使用方法
  • 使用上の注意
  • 保存方法
  • 原産国
  • 製造販売元
  • 商品区分
  • 広告で使用可能な表現
  • 使用を避ける表現
  • 根拠資料
  • 商品画像
  • パッケージ画像
  • FAQ
  • 返品条件

この段階では、文章をきれいにすることよりも、情報の抜け漏れをなくすことを優先します。

広告表現の審査フローを作る

広告表現を毎回、担当者の経験だけで判断する運用は避けます。

基本的な審査フローは次のとおりです。

  1. 商品企画担当が訴求案を作成
  2. 成分・品質資料と照合
  3. 薬事・法務担当が表現を確認
  4. 制作担当が画像・動画・レイアウトを作成
  5. 広告全体を再確認
  6. 承認者が公開可否を判断
  7. 公開物と審査記録を保存
  8. 改訂時に再審査
表現審査の項目
確認内容
効能効果
化粧品または医薬部外品の範囲内か
医薬品的表現
治療、診断、再生、細胞、炎症などを想起させないか
安全性
「絶対」「副作用なし」「誰でも使える」などがないか
比較
比較対象、条件、根拠が明確か
体験談
効果保証の印象を与えないか
専門家表現
医師などによる保証と誤認されないか
画像
ビフォーアフターや図解が過度な効果を示さないか
成分
特定成分を過度に強調していないか
キャンペーン
価格、割引、期間、条件が明確か
定期購入
契約条件が申込画面と一致しているか

カートを選定する

候補のカートを2〜3社程度に絞り、実際の運用を想定したデモやトライアルで比較します。

確認するテストケースは、次のように具体化します。

  • 新規顧客がスマートフォンで購入できるか
  • セット商品を正しく登録できるか
  • 定期便の周期を変更できるか
  • 住所変更に対応できるか
  • クーポンの適用条件を設定できるか
  • BtoB会員だけに卸価格を表示できるか
  • 在庫切れ時の表示を変更できるか
  • 物流会社へ正しいデータを渡せるか
  • 返品やキャンセルを処理できるか
  • 注文履歴と顧客情報を出力できるか
  • 権限の異なる担当者を登録できるか
  • 広告媒体別に売上を分析できるか

営業資料の「対応可能」という表現だけでなく、自社の業務シナリオで実際に操作することが重要です。

物流会社と運用設計を詰める

物流会社には、SKU数、月間出荷数、繁忙期、セット内容、同梱物、返品率の想定を伝えます。

見積もり時に確認する項目は次のとおりです。

  • 入荷費
  • 保管費
  • ピッキング費
  • 梱包費
  • 資材費
  • 配送料
  • 同梱作業費
  • セット組み費
  • 返品処理費
  • 棚卸費
  • システム連携費
  • 緊急出荷費
  • 破損・紛失時の補償
  • 繁忙期の追加費用

見積書の単価だけでなく、月間出荷数が増えたときの費用もシミュレーションします。

受注・出荷・返品テストを行う

公開前に、実際の注文を使ってテストを行います。

  • 通常注文
  • クーポン利用
  • 送料無料条件
  • セット商品
  • 定期初回注文
  • 定期2回目注文
  • ギフト注文
  • 住所不備
  • 決済失敗
  • 欠品
  • キャンセル
  • 返品
  • 交換
  • 返金
  • 物流連携エラー

テスト結果は、担当者名と実施日を残します。特に、注文データの受け渡し、在庫引当、配送通知、返金処理、定期契約の更新は、複数のシステムにまたがるため重点的に確認します。

開業後に見るべきKPI

開業後に見るべきKPI

化粧品ECでは、売上だけでなく、継続購入と品質・顧客対応の指標を組み合わせて見ます。

KPI
内容
見る目的
CVR
訪問者に対する購入者の割合
商品ページ・導線の改善
客単価
1注文あたりの売上
セット・クロスセルの評価
初回購入数
新規顧客の購入件数
集客施策の評価
2回目購入率
初回後の再購入割合
商品満足・CRMの評価
定期継続率
定期顧客の継続状況
商品・配送・解約理由の分析
LTV
顧客1人あたりの累積利益・売上
広告投資判断
返品率
注文に対する返品割合
商品説明・品質・物流の確認
破損率
配送中の破損割合
梱包品質の確認
液漏れ率
液漏れによる問い合わせ割合
容器・梱包の改善
欠品率
欠品注文の割合
発注・在庫計画の改善
CS対応時間
問い合わせ解決までの時間
顧客体験の改善
広告審査差戻し率
表現修正となった割合
企画・制作フローの改善

定期継続率だけで判断しない

定期購入では、継続率が高いことだけを目標にすると、解約のしにくさや問い合わせ増加につながる可能性があります。

次の指標も併せて確認します。

  • 解約理由
  • 解約受付件数
  • 解約手続きに要した時間
  • 次回発送前の問い合わせ数
  • スキップ利用率
  • 休止後の再開率
  • 返品率
  • 返金率
  • 定期顧客のレビュー評価

解約しやすい導線を用意しながら、商品価値や使い方を適切に伝えて継続してもらうことが、長期的な化粧品EC運営につながります。

化粧品ECで起こりやすい失敗と対策

化粧品ECで起こりやすい失敗と対策

広告制作を先に進め、薬事確認が後回しになる

発売直前に薬事確認を始めると、LP、広告バナー、動画、商品画像を大幅に修正することになります。

対策

  • 商品企画時点で使用可能な訴求を決める
  • NG表現リストを制作会社と共有する
  • 成分資料と広告原稿を紐付ける
  • 表現審査の納期を発売スケジュールに入れる
  • 公開後のSNS投稿も審査対象にする

メーカー資料をそのまま掲載する

メーカーやOEM会社から提供された資料は、卸先向け、営業向け、社内向けなど、用途が異なる可能性があります。

対策

  • 自社広告として使える表現かを確認する
  • 商品区分と効能範囲を確認する
  • 画像・イラストも含めて審査する
  • 掲載根拠を保存する
  • 商品ページと広告の表現を統一する

物流会社を価格だけで選ぶ

保管費が安くても、セット組み、ロット管理、返品処理、温度記録に対応できなければ、運用負荷や事故が増えます。

対策

  • 実物で梱包テストを行う
  • 繁忙期の出荷能力を確認する
  • ロット単位の在庫管理を確認する
  • 不良・返品の判定基準を契約書に記載する
  • 温度異常時の連絡・出荷停止手順を決める

カートの初期費用だけで決める

安価なカートでも、定期購入、会員ランク、外部連携、データ分析を追加すると総額が膨らむことがあります。

対策

  • 3年程度の運用費を試算する
  • 注文件数が増えた場合の料金を確認する
  • 乗り換え時のデータ出力可否を確認する
  • 実際の注文シナリオで比較する
  • 業務委託や制作会社の費用も含める

顧客の肌トラブル対応を想定していない

化粧品は、使用者の肌状態や体質によって反応が異なる場合があります。問い合わせ窓口が販売担当者だけだと、回答のばらつきや対応遅れが起きます。

対策

  • 体調・肌状態に関する相談の一次受付手順を作る
  • 使用中止を案内する基準を定める
  • 医療機関の受診を促すケースを整理する
  • 商品ロットを確認できるようにする
  • 品質管理担当へ報告する基準を作る
  • 問い合わせ内容を記録・集計する

個別の症状について、EC担当者が診断や治療の判断を行わないことも重要です。症状が強い場合や継続する場合は、医師や薬剤師への相談を案内するなど、社内ルールを整備します。

翌営業日からできる化粧品EC立ち上げ準備

翌営業日からできる化粧品EC立ち上げ準備

まず、次の作業を実施します。

事業モデルを1枚にまとめる

  • 販売する商品
  • 商品区分
  • ターゲット
  • 販売チャネル
  • 単品・定期・セットの有無
  • 想定月間注文数
  • 物流方法
  • CS窓口
  • 発売予定日

商品情報を収集する

  • 全成分
  • 内容量
  • 使用方法
  • 使用上の注意
  • 保存方法
  • 製造販売元
  • 原産国
  • 商品画像
  • パッケージ画像
  • 品質資料
  • 広告に使える根拠資料

NG表現の洗い出しを行う

商品ページ、広告、SNS、同梱物に使う予定の表現を一覧にし、次の言葉を含むものを確認します。

  • 治す
  • 改善
  • 消す
  • 再生
  • 若返る
  • アンチエイジング
  • 細胞
  • 炎症
  • 殺菌
  • 抗菌
  • 毛穴がなくなる
  • シミが消える
  • ニキビが治る
  • 絶対
  • 副作用なし
  • 誰でも使える

これらがすべて一律に禁止されるという意味ではありませんが、商品区分や広告全体によって問題となる可能性があるため、専門家へ確認する候補として抽出します。

カートの必須条件を決める

  • 定期購入が必要か
  • BtoB価格が必要か
  • モール連携が必要か
  • 物流連携が必要か
  • 会員ランクが必要か
  • セット販売が必要か
  • 顧客データを出力できるか
  • 権限管理が必要か
  • 将来的な多言語・越境対応が必要か

物流会社へ確認する

  • 化粧品の取り扱い実績
  • 温度・湿度管理
  • ロット管理
  • 先入れ先出し
  • 液漏れ・破損対策
  • セット組み
  • 同梱物
  • 返品処理
  • 回収対応
  • 出荷能力
  • システム連携
  • 見積もり条件

必要条件を整理できれば、カートや物流会社の比較が、単なる価格比較ではなく自社要件に基づく比較になります。

よくある質問

よくある質問
化粧品ECを始めるだけなら、薬機法の許可は必要ですか?
国内の化粧品製造販売業者から製品を仕入れ、表示・包装を変更せず販売する場合は、薬機法上の許可は不要とされています。一方、自社が製造や輸入を行う場合や、製造販売業者として市場へ出荷する場合は、必要な許可と管理体制の確認が必要です。

OEMを利用する場合も、誰が製造販売業者になるかで自社の確認事項が変わります。ブランド名だけで判断せず、契約、商品表示、実際の作業内容を管轄の薬務担当部署へ確認してください。許可が不要となる仕入れ販売でも、広告表現や通信販売の表示などの確認は必要です。
OEMで自社ブランドを作ると、自社に製造販売業許可が必要ですか?
自社が製造販売業者として市場へ出荷するのか、OEM先等が製造販売業者となった商品を自社が仕入れて販売するのかで、確認事項が変わります。自社が製造販売業者になる場合は、化粧品製造販売業許可と品質・安全管理の体制を確認します。

契約前に、製造販売主体、表示の確認、商品資料の保管、不具合発生時の連絡、回収時の対応を決めておきましょう。「OEMに任せる」という説明だけでは、責任と業務の分担は明確になりません。
化粧品の商品ページに効果を書いてはいけませんか?
化粧品として認められる効能効果の範囲内であれば、商品の特徴や使用感を説明できます。
ただし、広告全体として医薬品的な効果を示したり、虚偽・誇大な印象を与えたりしないように注意が必要です。 厚生労働省の効能範囲通知を確認し、商品区分と実際の根拠資料に基づいて表現を作成します。
海外の化粧品を仕入れて販売する場合の注意点は?
輸入販売では、国内向けの表示、成分、商品区分、許認可、通関、品質確認、返品・回収体制などの確認が必要です。海外で販売されている商品だからといって、日本国内で同じ表示や広告を使えるとは限りません。 輸入前に、製造元から成分資料や品質資料を取得し、行政や専門家へ相談してください。
化粧品ECはモールと自社ECのどちらが向いていますか?
モールは集客基盤を活用しやすい一方、販売手数料、競合比較、顧客データの活用範囲、モール独自の規約を確認する必要があります。 自社ECは、ブランド体験、顧客データ、定期購入、コンテンツ、CRMを設計しやすい一方、集客やサイト運用の負担があります。 初期はモールで需要を検証し、並行して自社ECでブランドやリピート施策を育てる方法もあります。どちらか一方に決めるのではなく、商品の購入頻度、広告予算、顧客との関係性、社内運用体制を基準に判断しましょう。
化粧品物流は冷蔵倉庫が必要ですか?
すべての化粧品に冷蔵保管が必要なわけではありません。商品ごとの保管条件、製造元の指示、品質資料、安定性試験などを確認し、必要な温度帯を定めます。 一律に冷蔵するのではなく、温度記録、直射日光対策、夏季の配送、凍結リスク、異常時の出荷停止などを含めて物流体制を設計してください。
口コミは自由に掲載できますか?
購入者の口コミであっても、事業者が選択して掲載したり広告に利用したりする場合は、商品効果を訴求する広告として確認が必要になる可能性があります。 特に、「シワが消えた」「肌トラブルが治った」などの医薬品的な効果を示す口コミは注意が必要です。掲載基準、削除基準、広告利用の可否を社内で定めておきましょう。
化粧品ECのカート選びで最も重要なことは何ですか?
最も重要なのは、現在の販売方法と将来の成長シナリオに合っていることです。 単品販売だけなら操作性や費用が重要ですが、定期通販なら継続・解約管理、BtoBなら取引先別価格、大規模化するなら在庫・物流・基幹連携が重要になります。 候補サービスの料金や機能は変更される可能性があるため、公式資料と見積書を確認し、自社の注文シナリオでテストしてから契約しましょう。

まとめ

まとめ

化粧品ECの成功には、集客やデザインだけでなく、販売前の法令確認と品質を守る物流設計が欠かせません。

化粧品のネットショップ開業を進める際は、次の順番で準備すると、後戻りを抑えやすくなります。

  1. 商品区分と販売モデルを整理する
  2. 自社の役割と必要な許認可を確認する
  3. 全成分・使用方法・注意事項を商品マスタ化する
  4. 薬機法・景品表示法を踏まえた表現審査フローを作る
  5. 単品、セット、定期、BtoBなどの販売方法を決める
  6. 必要機能に基づいてECカートを比較する
  7. 温度管理、ロット管理、液漏れ対策に対応できる物流会社を選ぶ
  8. 受注・出荷・返品・定期購入のテストを行う
  9. CVRだけでなく、継続率、返品率、破損率、欠品率を確認する
  10. 制度やプラットフォーム仕様の変更を定期的に確認する

特に「アンチエイジング」「シワ改善」「肌の再生」などの表現は、商品区分や広告全体によって法令上の確認が必要です。使用できる効能表現を正しく理解し、成分・品質・根拠資料と結び付けながら商品ページを作成しましょう。

おすすめのカートは、知名度や価格だけでは決まりません。小規模な単品販売、D2C・定期通販、BtoB併用、大規模な多チャネル販売など、自社の運営形態に適合するかを基準に比較することが重要です。

化粧品ECは、販売開始がゴールではありません。表示、広告、品質、物流、CSを継続的に見直し、顧客が安心して使い続けられる運営体制を構築することが、長期的なブランド成長につながります。

著者

ECのミカタ マーケティング事業部

ECのミカタ

ECのミカタ マーケティング事業部では、通販運用に10年以上携わってきたメンバーが、これまでに培った知見と現場での経験をもとに、EC・通販事業者の皆さまに役立つ情報を発信しています。集客・広告運用、CRM、商品ページ改善、物流、決済、リピート施策など、日々変化するEC市場の動向を捉えながら、実務に活かしやすい視点で分かりやすく解説します。事業者の皆さまが抱える課題や成長のヒントにつながるよう、一次情報や実践から得られた気づきを大切にし、信頼できる情報を継続的に更新してまいります。

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