ECサイト向けSEOツール比較!おすすめ10選と選び方

ECサイト向けSEOツールを、キーワード調査・競合分析・テクニカルSEO診断・順位計測・効果測定の用途別に比較。Ahrefs、Semrush、Screaming Frog、Google Search Consoleなどおすすめ10選と選び方、導入後の運用手順を解説します。
ECサイトのSEO対策では、検索順位を上げたいという目的だけでツールを選ぶと、導入後に「必要なデータが取れない」「URL数の上限に達する」「分析結果を改善施策に落とし込めない」といった問題が起こりがちです。
ECサイト向けのSEOツールは、キーワード調査、競合分析、テクニカルSEO診断、順位計測、アクセス・売上への貢献度測定のどこに課題があるかを起点に選ぶことが重要です。
たとえば、商品数やカテゴリ数が少ないECサイトであれば、Google Search ConsoleやGoogle Analytics 4を基盤に、必要に応じてキーワード調査ツールを追加する方法が現実的です。一方、商品・カテゴリ・絞り込みページが大量に存在するECサイトでは、Screaming Frog SEO SpiderやSitebulbなど、サイト全体をクロールしてインデックス状況や重複、リンク、メタ情報を点検できるツールが有効です。
また、AhrefsやSemrushは、競合サイトの検索流入やキーワード、被リンクなどを調査し、コンテンツやカテゴリ設計の方向性を検討する際に向いています。
本記事では、ECサイトで検討されやすいSEOツールを、機能・料金体系・向いている事業者の観点から比較します。自社の規模や運用体制に合うツールの選び方、導入後に確認すべき指標、翌営業日から実行できる運用手順まで解説します。
なお、料金、プランごとの利用上限、対応機能、連携可否は各サービスの更新によって変わります。導入時は、必ず各サービスの公式サイトで最新情報を確認してください。
ECサイトのSEOツール選びで押さえるべき比較軸
SEOツールを比較するときは、知名度や機能数だけで判断してはいけません。ECサイトの運営では、分析の精度だけでなく、商品・カテゴリページの数、更新頻度、担当者の人数、社内の開発体制まで考慮する必要があります。
特に、次の7つの比較軸を確認しましょう。
何のために使うのか
最初に、導入目的を明確にします。
- 商品やカテゴリに関連する検索キーワードを探したい
- 競合サイトが獲得しているキーワードを知りたい
- 商品ページやカテゴリページの重複を調べたい
- クロールエラーやリダイレクトを確認したい
- 検索順位を定期的に計測したい
- SEO経由の流入や売上を確認したい
- 経営会議やクライアント向けのレポートを作成したい
目的が異なれば、適したツールも変わります。
たとえば、競合サイトのキーワードや被リンクを調べたい場合はAhrefsやSemrushが候補になります。内部リンク、重複ページ、ステータスコード、canonical、robots.txtなどを確認したい場合は、Screaming Frog SEO SpiderやSitebulbが向いています。
一方、Google検索における自社サイトの実績を確認するなら、Google Search Consoleが基本です。検索結果での表示回数、クリック数、クリック率、平均掲載順位などを確認できます。(support.google.com)
取得できるデータの種類
SEOツールによって、得意なデータは異なります。
データの種類 | 主な確認内容 | 活用例 |
|---|---|---|
検索パフォーマンス | クリック数、表示回数、CTR、平均掲載順位 | 既存ページの改善優先度を決める |
キーワードデータ | 検索需要、関連語、競合順位、検索意図 | 商品・カテゴリ・記事の企画 |
競合データ | 競合の流入キーワード、上位ページ、被リンク | 競合との差分分析 |
クロールデータ | ステータスコード、title、meta description、canonical | 技術的な問題の発見 |
インデックスデータ | 登録状況、除外理由、未登録ページ | Googleに認識されていないページの確認 |
アクセスデータ | オーガニック流入、ユーザー行動、購入 | SEO施策と売上の関連を確認 |
被リンクデータ | 参照ドメイン、リンク先、リンク元 | 外部評価やリンク獲得機会の調査 |
競合サイトのアクセス数や検索流入は、外部ツールによる推定値である場合があります。自社サイトの実績を測定する用途では、Google Search ConsoleやGA4など、自社データを取得できる公式ツールを優先してください。
ECサイトのURL数に対応できる
ECサイトでは、商品ページだけでなく、次のようなURLが生成されます。
- 商品詳細ページ
- 商品一覧ページ
- ブランドページ
- カテゴリページ
- 絞り込みページ
- 並び替えページ
- ページネーション
- キャンペーンページ
- ブログ・コラムページ
- 在庫切れ商品のページ
- パラメータ付きURL
- スマートフォン・アプリ用の別URL
商品数が1,000件でも、絞り込み条件やパラメータの組み合わせによって、検索エンジンが発見するURL数は大きく膨らむことがあります。
そのため、料金だけでなく、次の上限を確認してください。
- 1回のクロールで取得できるURL数
- 月間クロールクレジット
- 登録できるプロジェクト数
- 登録できる競合サイト数
- 追跡できるキーワード数
- 保存できる履歴期間
- ユーザー数
- APIやエクスポートの上限
担当者が使いこなせるか
高度なデータが取得できても、担当者がレポートを読み解けなければ、導入効果は限定的です。
SEO専任者や技術担当者がいる企業では、細かなクロール設定やAPI連携ができるツールが向いています。一方、EC担当者がSEOを兼務している場合は、問題の優先度や改善方法をわかりやすく示してくれるツールを選ぶと運用しやすくなります。
確認したい機能は次のとおりです。
- 日本語の管理画面
- 日本語のヘルプ・サポート
- 問題の優先度付け
- 定期レポート
- アラート通知
- PDF・CSV出力
- Google SheetsやLooker Studioとの連携
- 複数人での権限管理
- 導入時のトレーニングや支援
料金体系が自社の使い方に合うか
月額料金が安く見えても、キーワード数やクロール数、ユーザー数を追加すると費用が増える場合があります。
比較時は、表示されている基本料金だけでなく、次の費用も確認しましょう。
- 年払いと月払いの差
- 追加ユーザー料金
- 追加プロジェクト料金
- キーワード追加料金
- クロールクレジットの超過料金
- API利用料金
- レポート作成機能の追加料金
- 導入支援・コンサルティング料金
- 為替や消費税を含めた実支払額
たとえばAhrefsは、無料のAhrefs Freeに加えて、Lite、Standard、Advanced、Enterpriseなどの有料プランを提供しています。公式料金ページでは、プランごとにプロジェクト数、追跡キーワード数、クロールクレジット、履歴データなどの上限が設定されています。(ahrefs.com)
既存環境と連携できるか
EC事業者は、すでに複数のシステムを利用していることが一般的です。
- Google Search Console
- Google Analytics 4
- Google Ads
- BIツール
- CMS
- ECカート
- 商品管理システム
- CRM
- 在庫管理システム
- Looker Studio
- Google Sheets
既存データと連携できれば、SEOの成果を「順位」だけでなく、「流入」「商品閲覧」「カート追加」「購入」「売上」までつなげて確認できます。
ただし、連携できることと、必要なデータを正しく取得できることは別です。導入前に、実際に必要なディメンションや指標が出力できるか、検証環境で確認しましょう。
無料ツールで足りない部分を明確にする
最初から有料ツールを複数契約する必要はありません。
まずは、無料で利用できるGoogle Search Console、GA4、Googleキーワードプランナーなどを導入し、自社の課題を把握します。そのうえで、競合分析や大規模クロール、順位の定点観測など、無料ツールでは不足する機能を有料ツールで補う方法が現実的です。
ただし、Googleキーワードプランナーは広告キャンペーン向けのツールです。検索キーワードの候補や検索数の目安を得る用途には使えますが、SEOの順位や競合状況を直接確認するツールではありません。Googleも、同ツールの検索数や予測値は広告運用の条件によって変わる推定値であると説明しています。(support.google.com)
比較軸チェックリスト
導入候補を絞り込むときは、次のチェックリストを使ってください。
確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
導入目的 | キーワード調査、競合分析、内部SEO診断、順位計測、レポート作成のどれが主目的か |
ECサイト規模 | 商品・カテゴリ・絞り込みページを含めたURL数に対応できるか |
必要データ | 検索順位、検索需要、被リンク、競合流入、クロールエラーなどを確認できるか |
運用担当者 | SEO専任者がいるか、EC担当者が兼務するか |
予算 | 月額費用だけでなく、追加ユーザー・追加プロジェクト・利用上限超過時の費用を確認したか |
既存環境 | Google Search Console、GA4、BIツール、CMS、商品データとの連携可否を確認したか |
サポート | 日本語UI・日本語サポート・導入支援の必要性はあるか |
出力形式 | CSV、PDF、Google Sheets、Looker Studioなど必要な形式に対応しているか |
無料検証 | 無料プラン、無料トライアル、デモで実データを確認できるか |
契約条件 | 月払い・年払い、解約条件、自動更新、返金条件を確認したか |
ECサイト向けSEOツールおすすめ10選|機能・料金・用途の比較表
ここでは、ECサイトで検討されやすいSEOツールを10種類紹介します。
比較対象は、次のサービスです。
- Ahrefs
- Semrush
- Screaming Frog SEO Spider
- Google Search Console
- Google Analytics 4
- Googleキーワードプランナー
- Sitebulb
- Similarweb
- Moz Pro
- Google検索・Googleスプレッドシートを組み合わせた運用
最後の「Google検索・Googleスプレッドシート」は、単体のSEOツールではありません。しかし、ECサイトの競合調査やキーワード管理では、実務上よく利用される組み合わせです。高額なツールを導入する前の簡易的な調査環境として位置づけます。
SEOツール10選の比較表
ツール名 | 主な用途 | キーワード調査 | 競合分析 | テクニカルSEO診断 | 順位計測 | 無料利用の可否 | 向いているEC事業者 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
Ahrefs | 被リンク・競合・キーワード・サイト監査 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | あり。機能・上限あり | 競合分析を重視する中小〜大規模EC |
Semrush | キーワード・競合・順位・サイト監査 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 無料枠あり。上限あり | SEOを総合的に管理したい企業 |
Screaming Frog SEO Spider | クロール・内部SEO診断 | △ | △ | ◎ | △ | あり。500URLまで | 技術担当者がいるEC |
Google Search Console | 検索実績・インデックス確認 | △ | × | ○ | △ | 無料 | すべてのEC事業者 |
Google Analytics 4 | 流入・行動・購入・売上測定 | × | × | × | × | 無料版あり | SEOを売上まで測定したいEC |
Googleキーワードプランナー | キーワード候補・検索需要の目安 | ○ | × | × | × | アカウント設定が必要 | SEO企画の初期調査 |
Sitebulb | テクニカルSEO監査・レポート | △ | × | ◎ | △ | 14日間の無料トライアル | 改善優先度や報告品質を重視する企業 |
Similarweb | 競合流入・市場・チャネル分析 | ○ | ◎ | ○ | ○ | 無料機能あり。詳細は有料 | 市場規模や競合の全体像を見たい企業 |
Moz Pro | キーワード・順位・リンク・サイト監査 | ◎ | ○ | ○ | ◎ | 無料トライアル等は要確認 | 海外SEOや基本機能をまとめたい企業 |
Google検索+スプレッドシート | SERP確認・競合整理・施策管理 | ○ | ○ | × | × | 無料 | 小規模EC、導入前の検証 |
料金は、月額・年額、通貨、契約期間、ユーザー数、データ上限などによって異なります。たとえばScreaming Frog SEO Spiderは、無料版では500URLまでクロールでき、有料ライセンスでは上限解除やJavaScriptレンダリング、保存・再開、Google AnalyticsやSearch Console連携などの機能を利用できます。公式サイトでは有料ライセンスを年額で案内しています。(screamingfrog.co.uk)
Sitebulbはデスクトップ版とクラウド版を提供しており、デスクトップ版は1回の監査で最大50万URL、クラウド版は最大1,000万URLまでの監査を案内しています。料金はプランや契約条件によって異なるため、導入時に公式料金ページで確認してください。(sitebulb.com)
Ahrefs|競合サイトのキーワード・被リンク調査に強い
Ahrefsは、競合サイト分析や被リンク調査、キーワード調査、サイト監査、順位計測などをまとめて利用できるSEOツールです。
ECサイトでは、次のような使い方ができます。
- 競合が検索上位を獲得しているキーワードを調べる
- 自社が未獲得のキーワードを探す
- 競合の流入を支えるカテゴリページや記事を調べる
- 競合にリンクしている外部サイトを確認する
- 自社サイトのクロールエラーや重複問題を確認する
- 指定キーワードの順位推移を追跡する
AhrefsのSite Explorerでは、対象サイトが獲得しているキーワード、推定オーガニック流入、上位ページ、被リンクなどを確認できます。Keywords Explorerではキーワードごとの検索需要や難易度、検索結果の傾向を調査できます。Rank Trackerでは登録キーワードの順位推移を継続的に計測できます。公式料金ページでは、プランごとにキーワード数、プロジェクト数、クロールクレジット、エクスポート行数などが設定されています。(ahrefs.com)
Ahrefsが向いているEC事業者
- 競合サイトの構造や検索流入を詳しく調査したい
- 被リンクや外部評価を分析したい
- SEO担当者が競合調査を定期的に行う
- 複数カテゴリ・複数ブランドを横断して分析したい
- コンテンツSEOとテクニカルSEOを一つの環境で管理したい
注意点
Ahrefsの競合流入や検索ボリュームは、データベースや推定ロジックに基づくデータです。自社の実際のクリック数や購入数を表すものではありません。
また、下位プランではプロジェクト数、追跡キーワード数、クロールクレジットなどに上限があります。商品数の多いECサイトでは、導入前に対象ドメインの規模と必要なクロール頻度を算出しておきましょう。
Semrush|SEOの総合管理と競合比較に向く
Semrushは、キーワード調査、競合分析、順位計測、サイト監査、被リンク分析、コンテンツ改善などを幅広く扱うプラットフォームです。
代表的な機能には、次のようなものがあります。
- Keyword Magic Toolによるキーワード調査
- Organic Researchによる競合の検索状況分析
- Position Trackingによる順位計測
- Site AuditによるテクニカルSEO診断
- Backlink Analyticsによる被リンク分析
- On Page SEO Checkerによるページ改善提案
- レポート作成・共有
Semrushの公式情報では、SEOツールキットに加えて、AI可視性やコンテンツ、広告、ソーシャルなどの専門ツールキットを組み合わせる料金体系が案内されています。SEO Classicや、SEOとAI可視性を組み合わせたSemrush Oneなどがあり、プランによって機能や利用上限が変わります。(semrush.com)
Semrushが向いているEC事業者
- SEO、広告、コンテンツ、競合分析を横断して管理したい
- 複数の担当者や部署でデータを共有したい
- キーワード調査から順位計測まで一つのサービスで行いたい
- 国内だけでなく海外市場も調査したい
- 定例会議用のレポート作成を効率化したい
注意点
機能が多い分、初期設定や運用ルールが必要です。契約前に、SEO担当者だけが使うのか、広告担当者や経営層も利用するのかを決めておくと、必要なプランを判断しやすくなります。
また、複数のツールキットを追加すると、基本料金だけでは収まらない可能性があります。利用する機能を洗い出し、年間予算で比較しましょう。
Screaming Frog SEO Spider|大規模ECのクロール診断に強い
Screaming Frog SEO Spiderは、パソコンにインストールして利用するクローラー型のSEOツールです。
ECサイトの技術的な調査において、特に次の確認に向いています。
- 404や500などのエラー
- リダイレクト
- titleやmeta descriptionの重複・欠落
- canonical設定
- noindexやnofollow
- hreflang
- XMLサイトマップ
- 内部リンク
- 重複ページ
- JavaScriptで生成されるコンテンツ
- 構造化データ
- ページ速度関連データ
- Google AnalyticsやSearch Consoleのデータ
無料版では500URLまでクロールできます。有料版では、クロール上限の解除に加え、クロール設定、保存・再開、JavaScriptレンダリング、クロール比較、カスタム抽出、Google Analytics・Search Console・PageSpeed Insightsとの連携などが利用できます。(screamingfrog.co.uk)
Screaming Frogが向いているEC事業者
- 商品ページやカテゴリページが多い
- ECカートのリニューアル後に全URLを点検したい
- 開発会社や技術担当者とSEO課題を共有したい
- CSVで抽出したデータを加工したい
- 定期監査よりも、スポット調査やリリース前検証を重視する
注意点
インストール型のため、クラウド型ツールのようにブラウザだけでチーム共有する運用には向きません。担当者ごとにライセンスが必要です。
また、クロール設定を誤ると、検索パラメータを無制限に取得したり、サーバーに負荷をかけたりする可能性があります。本番サイトをクロールするときは、クロール速度や対象URLを確認し、必要に応じて開発環境やサイトマップを使った限定調査から始めてください。
Google Search Console|すべてのECサイトが使うべき基盤
Google Search Consoleは、Google検索における自社サイトの状態を確認する無料ツールです。
主に次のデータを確認できます。
- 検索クエリ
- クリック数
- 表示回数
- クリック率
- 平均掲載順位
- ページごとの検索パフォーマンス
- インデックス登録状況
- クロール済み・未登録ページ
- サイトマップ
- URL検査
- モバイルやHTTPSなどの問題
- 外部リンク・内部リンク
検索パフォーマンスレポートでは、クエリ、ページ、国、デバイスなどの切り口で検索実績を確認できます。(support.google.com)
ECサイトでは、次のような使い方が有効です。
- 商品ページの表示回数は多いがクリック率が低いページを探す
- カテゴリページの平均掲載順位を確認する
- 重要ページがインデックス登録されているか調べる
- サイトリニューアル後に登録状況を確認する
- 在庫切れページや削除ページが検索結果に残っていないか確認する
- 新設した特集ページの検索表示を確認する
注意点
Search Consoleは、自社サイトのGoogle検索データを確認するツールです。競合サイトの検索キーワードや流入数を調べることはできません。
また、表示される平均掲載順位は、検索者の場所、デバイス、検索結果の種類などによって変わります。順位だけで評価せず、クリック数やCTR、コンバージョンと合わせて確認しましょう。
Google Analytics 4|SEOを購入・売上につなげて測定する
Google Analytics 4は、SEO専用ツールではありません。しかし、ECサイトでは、検索流入が商品閲覧や購入につながったかを確認するために欠かせない計測基盤です。
GA4では、適切なECイベントを設定することで、次のような行動を確認できます。
- 商品閲覧
- 商品リストの閲覧
- カート追加
- 購入手続き開始
- 購入
- クーポン利用
- 収益
- 商品別の閲覧数・購入数
- 商品カテゴリ別の売上
Googleの公式ヘルプでは、ECデータを取得するには、`view_item`、`add_to_cart`、`begin_checkout`、`purchase`などのイベントをサイトやアプリから送信する必要があり、ECイベントは自動的には収集されないと説明されています。(support.google.com)
GA4が向いているEC事業者
- SEO流入の売上貢献を確認したい
- 商品カテゴリ別に流入と購入を比較したい
- オーガニック検索のランディングページを分析したい
- SEOと広告、メール、SNSの成果を比較したい
- コンテンツページから商品ページへの導線を確認したい
注意点
計測設定が不完全だと、SEOの成果を正しく判断できません。
最低限、次の項目を確認してください。
- 購入イベントが送信されているか
- item_idが商品マスタと一致しているか
- 商品名・カテゴリ・価格・数量が正しく送信されているか
- 税・送料・値引きの扱いが社内ルールと一致しているか
- クロスドメインや決済代行会社の除外設定が適切か
- Search ConsoleとGA4のランディングページを比較できる状態か
Googleキーワードプランナー|キーワード企画の初期調査に使う
Googleキーワードプランナーは、Google広告のキーワード調査機能です。
キーワード候補を探したり、月間検索数の目安や広告出稿時の費用感を確認したりできます。キーワード、ウェブサイト、カテゴリなどを起点に候補を広げられ、地域や言語、期間などで絞り込むこともできます。(support.google.com)
ECサイトでは、次のような使い方ができます。
- 商品カテゴリの関連語を洗い出す
- 季節商品の需要変動を確認する
- 商品名と用途の組み合わせを探す
- 「ギフト」「通販」「おすすめ」などの修飾語を調べる
- 地域名・用途・悩みと商品名の組み合わせを探す
注意点
キーワードプランナーのデータは、SEOの検索順位を直接示すものではありません。また、月間検索数は一定の固定値ではなく、期間や地域、広告設定によって表示が変わることがあります。
そのため、キーワードプランナーだけで優先順位を決めるのではなく、次の情報と組み合わせて判断しましょう。
- Search Consoleの実際の検索クエリ
- Google検索結果の上位ページ
- 競合サイトのカテゴリ構成
- 商品の粗利や在庫
- 購入意図
- 季節性
- 自社のコンテンツ制作体制
Sitebulb|技術課題を優先順位付きで整理したい場合に向く
Sitebulbは、サイトをクロールしてテクニカルSEOの課題を分析し、視覚的なレポートや優先度付きのヒントを提示するツールです。
ECサイトでは、問題を大量に検出するだけでなく、「どの課題から対応すべきか」を整理しやすい点がメリットです。
主な確認項目は次のとおりです。
- インデックス可能性
- 内部リンク
- titleや見出し
- canonical
- 重複・類似コンテンツ
- ステータスコード
- サイト構造
- ページ速度・リソース
- JavaScript
- セキュリティ関連
- Search Console・GA連携データ
Sitebulbは、監査データとしてSEO、ページリソース、セキュリティなどを収集でき、監査設定によって取得するデータを調整できます。(sitebulb.com)
Sitebulbが向いているEC事業者
- SEO課題を社内の非専門職にも説明したい
- 改善項目を優先順位付きで整理したい
- 経営層や制作会社向けの報告書を作りたい
- クラウド上で複数人が同じ監査データを見たい
- Screaming Frogよりも可視化やレポート品質を重視する
注意点
クロール上限や利用人数、デスクトップ版・クラウド版の違いを確認する必要があります。特に、チームで利用する場合は、誰が監査を実行し、誰がレポートを閲覧するのかを整理してから契約しましょう。
Similarweb|競合の市場・流入チャネルを把握する
Similarwebは、ウェブサイトのトラフィック、流入チャネル、競合比較、市場動向などを分析するデジタルインテリジェンスツールです。
SEO専用ツールというよりも、競合や市場全体を把握するためのツールとして位置づけると理解しやすいでしょう。
確認できる主な情報は次のとおりです。
- ウェブサイトの訪問数
- トラフィック推移
- 流入チャネル
- オーガニック検索・有料検索
- 参照元サイト
- デバイス比率
- 国・地域別の流入
- 人気ページ
- 競合サイトとの比較
- 検索キーワード
Similarwebの公式情報では、複数サイトのトラフィックやエンゲージメントを比較し、検索、リファラル、ソーシャルなどのチャネル別に分析できるとされています。サイトの訪問数やエンゲージメントは推定データであり、自社のアクセス解析データとは区別して扱う必要があります。(support.similarweb.com)
Similarwebが向いているEC事業者
- 市場全体や競合の規模を把握したい
- 競合がSEO以外にどのチャネルへ投資しているか知りたい
- 参照元サイトや提携先の候補を探したい
- 海外市場や新規カテゴリーへの参入を検討している
- 競合サイトの成長トレンドを経営判断に使いたい
注意点
Similarwebの訪問数やチャネル別流入は推定値です。自社サイトについても、GA4の実測値と一致するとは限りません。
「競合サイトの月間訪問数が多いから、自社も同じ施策をすれば伸びる」と短絡的に判断するのではなく、競合比較の仮説を作るために利用してください。
Moz Pro|キーワード・順位・リンクをまとめて確認する
Moz Proは、キーワード調査、順位計測、サイト監査、リンク分析などを提供するSEOプラットフォームです。
ECサイトでは、次のような用途に使えます。
- キーワード候補の洗い出し
- キーワード難易度の比較
- 対象キーワードの順位計測
- ページ単位のSEO状況確認
- 競合とのキーワード比較
- リンクやドメイン評価の調査
- サイト監査
Moz Proが向いているEC事業者
- キーワード調査と順位計測を重視する
- 海外向けSEOも検討している
- SEOの基本機能をまとめて使いたい
- 競合との順位差を定期的に確認したい
- 担当者がSEOツールを初めて本格導入する
注意点
料金や無料トライアル、キーワード数、キャンペーン数、ユーザー数などはプランによって異なります。導入前に、対象国・検索エンジン・デバイス・計測キーワード数が自社の要件を満たすかを確認してください。
また、国内ECで日本語キーワードを中心に運用する場合は、実際の検索結果とデータベース上の数値に差がないか、トライアルで確認することをおすすめします。
Google検索+スプレッドシート|小規模ECの初期調査に使える
専用SEOツールを導入する前に、Google検索とスプレッドシートだけで簡易的な競合・キーワード調査を行う方法もあります。
たとえば、次の項目を表にまとめます。
キーワード | 検索意図 | 上位ページの種類 | 自社対応ページ | 競合数 | 優先度 | 次のアクション |
|---|---|---|---|---|---|---|
ランニングシューズ 初心者 | 商品比較・購入検討 | カテゴリ・記事 | あり | 多 | 中 | カテゴリ導線を改善 |
ランニングシューズ レディース | 商品探し | カテゴリ | あり | 多 | 高 | titleと商品絞り込みを確認 |
ランニングシューズ 選び方 | 情報収集 | 記事 | なし | 中 | 高 | 選び方記事を作成 |
ランニングシューズ 通勤 | 用途別の商品探し | 商品・記事 | なし | 少 | 中 | 用途別特集を企画 |
検索結果を目視すれば、上位ページの種類、タイトルの傾向、カテゴリ構造、FAQの有無、価格帯などを把握できます。
注意点
目視調査は、検索地点や検索履歴、デバイスによって結果が変わります。また、大量キーワードの追跡や技術監査には向きません。
まずは10〜30キーワード程度で仮説を作り、継続的な順位計測や競合分析が必要になった段階で有料ツールを検討するとよいでしょう。
目的別に見るSEOツールの選び方
ツールを選ぶときは、サービス名ではなく、解決したい業務から考えると判断しやすくなります。
キーワード調査を重視する場合
キーワード調査では、検索数だけでなく、検索意図とページタイプを確認する必要があります。
おすすめの組み合わせは次のとおりです。
目的 | 推奨ツール | 使い方 |
|---|---|---|
基本的な候補出し | Googleキーワードプランナー | 商品名、用途、悩み、季節語を組み合わせる |
自社の実績から探す | Google Search Console | 表示回数が多い未対策クエリを抽出する |
競合との差分を探す | Ahrefs・Semrush | 競合が獲得していて自社が未獲得の語を調べる |
市場全体を見る | Similarweb | 競合や市場の検索流入を俯瞰する |
海外キーワードを調べる | Ahrefs・Semrush・Moz Pro | 対象国・言語・デバイスを設定する |
キーワードの優先順位は、検索ボリュームだけで決めないでください。
次のようなスコアリングが実務では使いやすくなります。
- 購入意図:0〜3点
- 自社商品の適合度:0〜3点
- 競合の強さ:0〜3点
- 既存ページの改善余地:0〜3点
- 粗利・在庫・販売優先度:0〜3点
合計点が高いキーワードから、商品ページ、カテゴリページ、特集ページ、記事のどこで対応するかを決めます。
競合分析を重視する場合
競合分析では、競合の推定流入数だけを見るのではなく、次の項目を比較します。
- どのカテゴリページが流入を集めているか
- 商品ページと記事ページの比率
- 上位表示キーワードの検索意図
- titleや見出しの切り口
- 内部リンクの配置
- 外部リンクの獲得先
- ブランド名を含む指名検索と非指名検索の割合
- 季節性のあるページの更新状況
- 在庫切れや販売終了ページの扱い
AhrefsやSemrushは、競合のキーワードや上位ページを調べる用途に向いています。Similarwebは、検索だけでなく、ダイレクト、リファラル、ソーシャルなどを含めた流入チャネルの比較に適しています。(ahrefs.com)
テクニカルSEO診断を重視する場合
商品数やURL数が多いECサイトでは、テクニカルSEO診断を優先してください。
推奨ツールは次のとおりです。
課題 | 第一候補 | 補助ツール | 確認内容 |
|---|---|---|---|
404・リダイレクト | Screaming Frog | Sitebulb | 内部リンクとステータスコード |
重複ページ | Screaming Frog | Sitebulb・Search Console | title、本文、canonical、パラメータ |
インデックス未登録 | Search Console | Ahrefs・Semrush | 除外理由と対象URL |
クロール効率 | Screaming Frog | Sitebulb | URL構造、リンク深度、不要URL |
JavaScript表示 | Screaming Frog | Sitebulb | レンダリング後の本文・リンク |
XMLサイトマップ | Search Console | Screaming Frog | 登録URL、エラー、最終更新 |
構造化データ | Screaming Frog | Search Console | 商品・パンくずなどの実装状況 |
課題の社内共有 | Sitebulb | Looker Studio | 優先度、影響範囲、改善状況 |
ECサイトで特に注意したいのは、次のようなページです。
絞り込みページ
色、サイズ、価格、ブランドなどの条件によって、大量の組み合わせURLが生成されることがあります。すべてを検索結果に表示させる必要があるとは限らないため、検索流入を期待するページと、検索対象にしないページを分けて設計します。
在庫切れページ
一時的な在庫切れなのか、販売終了なのかで対応は変わります。
- 再入荷予定がある:ページを維持し、再入荷通知や代替商品を案内
- 販売終了で代替商品がある:関連商品や後継商品へ誘導
- 一時的なキャンペーン終了:恒常ページと期間限定ページを整理
- 今後も再販売しない:適切なリダイレクトや404などを検討
重複商品ページ
色違い、サイズ違い、セット商品、容量違いなどで、内容が似たページが増えることがあります。検索意図が異なるのか、1ページに統合できるのか、canonicalを設定するのかを、商品戦略と合わせて判断してください。
ECサイトでSEOツールを使う実務手順
SEOツールは導入するだけでは成果につながりません。データを取得し、課題を分類し、改善し、再計測する運用が必要です。
SEOの目的と成果指標を決める
最初に、SEOで達成したい事業目標を決めます。
例:
- 非指名検索からの商品流入を増やす
- 特定カテゴリの売上を伸ばす
- オーガニック経由の購入件数を増やす
- 新規ユーザーの流入を増やす
- 商品ページの検索表示を増やす
- コンテンツからカテゴリページへの送客を増やす
次に、SEOツールで確認する指標を決めます。
目的 | 主な指標 |
|---|---|
検索露出を増やす | 表示回数、インプレッション、インデックス登録数 |
クリックを増やす | クリック数、CTR、平均掲載順位 |
商品閲覧を増やす | オーガニック流入、商品詳細閲覧数 |
カート追加を増やす | add_to_cart、商品別カート追加率 |
購入を増やす | purchase、購入件数、購入率、収益 |
カテゴリを育てる | カテゴリ別流入、順位、購入、内部リンク数 |
対象URLを分類する
ECサイトでは、URLをページタイプ別に分類します。
- トップページ
- 商品ページ
- カテゴリページ
- ブランドページ
- 特集ページ
- コラムページ
- カート・会員ページ
- 検索結果ページ
- 絞り込みページ
- パラメータページ
- 404ページ
分類しておくと、「商品ページだけCTRが低い」「カテゴリページのインデックス率が低い」といった分析ができます。
Search ConsoleとGA4の初期データを取得する
まず、直近3カ月から6カ月程度のデータを確認し、次の一覧を作ります。
Search Consoleで抽出する項目
- 表示回数が多いクエリ
- クリック数が多いクエリ
- CTRが低いクエリ
- 平均掲載順位が11〜30位程度のクエリ
- 表示回数はあるがクリックが少ないページ
- 登録されていない重要ページ
- 除外理由が多いページ
GA4で抽出する項目
- オーガニック検索のランディングページ
- 商品ページ別の閲覧数
- カテゴリ別の購入数
- SEO流入の購入率
- SEO流入の収益
- 商品詳細からカートへの遷移率
- コンテンツから商品ページへの遷移
- デバイス別の購入状況
GA4のECレポートで商品別の閲覧や購入を確認するには、ECイベントと商品パラメータが正しく送信されている必要があります。(support.google.com)
競合3〜5サイトを比較する
競合は、売上規模だけでなく、検索結果で自社と競合するサイトを選びます。
候補例:
- 同じ商品を扱う事業者
- 同じ検索意図を狙う専門店
- 大手モールや比較サイト
- 情報コンテンツで上位にいるメディア
- 地域や用途で競合する事業者
比較項目は次のとおりです。
- 上位キーワード
- 主要なランディングページ
- カテゴリ階層
- 商品ページの情報量
- FAQや比較表の有無
- 内部リンク
- 外部リンク
- 更新頻度
- 検索結果でのタイトル・説明文
技術監査を実施する
Screaming FrogやSitebulbでクロールし、次の順番で確認します。
- 5xxエラー
- 重要ページの4xxエラー
- リダイレクトチェーン
- noindexやcanonicalの誤設定
- 重要ページの孤立
- title・見出しの欠落
- 重複ページ
- 絞り込み・パラメータURLの増加
- XMLサイトマップとの不一致
- 内部リンクの不足
すべての警告を一度に直そうとせず、売上や検索流入への影響が大きいページから対応します。
改善施策をバックログ化する
SEOツールのレポートを、そのまま開発会社に渡すだけでは不十分です。
次の形式で改善バックログを作ります。
課題 | 対象URL | 影響 | 原因 | 対応内容 | 担当 | 期限 | 確認指標 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
titleが重複 | 商品ページ120件 | CTR低下の可能性 | 商品名だけで生成 | テンプレートを見直す | 制作 | 6月10日 | CTR |
絞り込みURLが増加 | 商品一覧 | クロール効率への懸念 | パラメータ制御不足 | ルールを整理 | 開発 | 6月20日 | URL数 |
カテゴリから商品へリンク不足 | カテゴリ5件 | 回遊・発見性 | 導線不足 | 関連商品を追加 | EC担当 | 6月12日 | 内部リンク数 |
在庫切れページが放置 | 商品30件 | ユーザー体験低下 | 運用ルール未整備 | 後継商品を案内 | MD | 6月15日 | 直帰・購入 |
変更前後で再計測する
改善後は、次のタイミングで確認します。
- 実装直後:HTML、canonical、noindex、構造化データ
- 数日後:クロールエラー、URL検査
- 数週間後:インデックス状況、表示回数
- 1〜3カ月後:順位、クリック、CTR、流入
- セールや季節イベント後:購入、売上、再訪
検索順位や表示回数は外部環境でも変動します。1つの施策だけで成果を断定せず、対象ページ群と比較対象ページ群を分けて推移を確認すると、判断しやすくなります。
翌営業日から使えるECサイトSEOチェックリスト
まずは、次の作業を1日で実施してください。
現状把握
- [ ] Google Search Consoleの権限を確認する
- [ ] GA4の権限を確認する
- [ ] オーガニック流入の上位ページを20件抽出する
- [ ] 表示回数が多くCTRが低いページを抽出する
- [ ] 平均掲載順位が11〜30位のクエリを抽出する
- [ ] 商品・カテゴリ・記事のURL数を確認する
- [ ] 重要カテゴリを5〜10件選ぶ
- [ ] 競合サイトを3〜5件選ぶ
- [ ] 在庫切れ・販売終了商品のURLを確認する
- [ ] 絞り込み・パラメータURLの有無を確認する
優先課題の整理
- [ ] 重要ページがインデックス登録されているか確認する
- [ ] 404やリダイレクトの発生状況を確認する
- [ ] titleの重複・欠落を確認する
- [ ] canonicalとnoindexの設定を確認する
- [ ] XMLサイトマップの送信状況を確認する
- [ ] カテゴリから商品への内部リンクを確認する
- [ ] 商品ページから関連商品へのリンクを確認する
- [ ] 競合の上位ページと自社ページを比較する
- [ ] 改善施策を影響度・工数で並べ替える
改善開始
- [ ] title・meta descriptionの改善候補を決める
- [ ] 検索意図とページタイプの対応を確認する
- [ ] 重要カテゴリの説明文や導線を見直す
- [ ] 商品ページの商品情報を確認する
- [ ] 在庫切れ・販売終了ページの運用ルールを決める
- [ ] 絞り込みページのインデックス方針を決める
- [ ] GA4の購入イベントをテストする
- [ ] SEO施策の実施日と対象URLを記録する
- [ ] 改善前の順位・流入・売上を保存する
SEOツール導入で失敗しやすいポイント
料金だけで選ぶ
安価なツールでも、必要なキーワード数やクロール数が不足すれば、追加契約が必要になります。
「月額いくらか」ではなく、「自社の運用に必要なデータ量を取得した場合の年間費用」で比較してください。
機能数が多いツールを選ぶ
機能数が多いことは、必ずしも使いやすさにつながりません。
最初は、次のいずれかの目的に絞る方法がおすすめです。
- キーワード調査
- 競合分析
- テクニカルSEO診断
- 順位計測
- 売上測定
導入目的が複数ある場合も、最初に優先順位を決めましょう。
検索ボリュームだけでキーワードを選ぶ
検索数が多いキーワードでも、情報収集目的であれば、商品購入につながるとは限りません。
ECでは、次の検索意図を分けて考える必要があります。
- 商品を探している
- 商品を比較している
- 悩みを解決したい
- 使い方を知りたい
- 価格や送料を確認したい
- 口コミや評判を知りたい
- 購入後の情報を探している
検索意図とページの役割が一致しているかを確認しましょう。
競合の推定流入を実数として扱う
Ahrefs、Semrush、Similarwebなどの外部ツールは、競合分析に便利です。ただし、競合サイトのアクセス数や検索流入は推定値である場合があります。
競合分析では、絶対値よりも次の差分に注目してください。
- どのカテゴリで差があるか
- どの検索意図を取りこぼしているか
- 競合は商品ページと記事をどう使い分けているか
- どのページに外部リンクが集まっているか
- どの施策が自社でも実行可能か
インデックス登録数を増やせばよいと考える
ECサイトでは、インデックス登録数が多ければよいとは限りません。
検索結果に表示する価値が低い絞り込みページや、内容がほぼ同じ商品ページが大量に登録されると、管理が難しくなることがあります。
重要なのは、検索ユーザーにとって価値のあるページが、適切なURLとして発見・クロール・インデックスされることです。
法令・プラットフォーム仕様をSEOだけで判断する
商品表示、価格、広告表示、レビュー、特商法表記、個人情報、Cookie、計測タグ、決済、在庫表示などは、SEOだけで判断できない領域があります。
法令、税務、セキュリティ、決済、広告表示、ECプラットフォームの仕様は変更される可能性があるため、実装前に各サービスの公式情報や専門家へ確認してください。
無料ツールと有料ツールの使い分け
EC事業者が最初に構築しやすい組み合わせは、次のとおりです。
ECサイトの状況 | 基本構成 | 追加候補 |
|---|---|---|
小規模・担当者1人 | Search Console+GA4+スプレッドシート | Googleキーワードプランナー |
商品数が増えてきた | 上記+Screaming Frog無料版 | 有料ライセンス、Sitebulb |
競合分析を強化したい | 上記+AhrefsまたはSemrush | Similarweb |
大規模EC・複数担当者 | Search Console+GA4+有料総合ツール | クロール専用ツール、BI |
海外展開を進めたい | Search Console+GA4+Ahrefs・Semrush・Moz Pro | Similarweb、専門調査 |
技術課題が多い | Search Console+Screaming Frog | Sitebulb、開発会社との連携 |
無料ツールを使う場合も、データ取得日、対象期間、抽出条件を記録してください。条件が毎回変わると、施策の前後比較が難しくなります。
SEOツールを選ぶための最終判断基準
候補が2〜3個に絞れたら、次の順番で比較します。
- 自社の課題を解決できるか
- 必要なURL数・キーワード数に対応できるか
- 担当者が週次または月次で使えるか
- 必要なレポートを作れるか
- GA4やSearch Consoleと連携できるか
- 年間予算に収まるか
- 無料トライアルやデモでデータを確認できるか
- 解約・更新・追加料金の条件が明確か
- 日本語サポートが必要か
- 導入後の運用責任者が決まっているか
最終的には、ツールの機能差よりも、導入後に誰が、どの頻度で、どの指標を見て、どの改善を実行するかが重要です。
まとめ
ECサイト向けのSEOツールは、知名度や機能数だけで比較するのではなく、導入目的に応じて選ぶことが重要です。
- キーワード調査ならGoogleキーワードプランナー、Ahrefs、Semrush、Moz Pro
- 競合分析ならAhrefs、Semrush、Similarweb
- テクニカルSEO診断ならScreaming Frog SEO Spider、Sitebulb
- Google検索の実績確認ならGoogle Search Console
- SEO流入と購入・売上の測定ならGoogle Analytics 4
- 小規模ECの初期調査ならGoogle検索とスプレッドシート
特にECサイトでは、商品数やカテゴリ数の増加によって、重複ページ、絞り込みURL、在庫切れページ、クロール効率、内部リンクなどの課題が発生しやすくなります。コンテンツ制作だけでなく、サイト全体の技術状態を確認できる環境も整えましょう。
迷った場合は、まずSearch ConsoleとGA4を基盤にし、自社の課題を特定します。そのうえで、競合分析が必要ならAhrefsまたはSemrush、技術監査が必要ならScreaming Frog SEO SpiderまたはSitebulbを追加する方法が現実的です。
料金や機能、利用上限は更新されるため、契約前には各サービスの公式情報を確認し、無料トライアルやデモで自社サイトを実際に分析してから判断してください。
よくある質問
ECサイトのSEOにSEOツールは必要ですか?
必須ではありませんが、商品数やカテゴリ数が増えるほど導入メリットは大きくなります。
小規模なECサイトであれば、Google Search Console、GA4、Google検索、スプレッドシートだけでも基本的な分析は可能です。一方、大規模ECでは、URLの重複、内部リンク、インデックス状況、競合キーワードを手作業で確認することが難しくなります。
SEOツールは1つだけ導入すればよいですか?
1つで十分な場合もありますが、すべての目的を一つのツールで満たす必要はありません。
たとえば、Search Consoleは自社の検索実績に強く、AhrefsやSemrushは競合分析に向いています。Screaming FrogやSitebulbはクロール診断に適しており、GA4は購入や売上の測定に使います。
無料の公式ツールを基盤にして、不足する機能を有料ツールで補う方法が一般的です。
AhrefsとSemrushはどちらを選ぶべきですか?
競合の被リンクや検索キーワードを詳しく調べたい場合はAhrefsが候補になります。キーワード、順位、サイト監査、コンテンツ、広告などを幅広く管理したい場合はSemrushが候補になります。
ただし、最適な選択は必要な機能、対象国、担当者数、キーワード数、レポート要件によって変わります。無料トライアルやデモで、実際の競合サイトと自社サイトを調査してから決めるとよいでしょう。
Google Search ConsoleだけでSEO対策できますか?
基本的な検索パフォーマンスやインデックス確認は可能です。
ただし、競合サイトのキーワード、競合の被リンク、サイト全体の詳細なクロール診断、大量キーワードの順位推移などは、別のツールが必要になる場合があります。
GA4でSEOの順位を確認できますか?
GA4はアクセスやユーザー行動、購入、売上を測定するツールであり、検索順位の確認には向いていません。
検索クエリ、表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位はSearch Consoleで確認し、SEO流入後の行動や購入はGA4で確認するように役割を分けてください。
在庫切れの商品ページは削除すべきですか?
一律に削除するべきではありません。
再入荷の可能性、後継商品や代替商品の有無、検索流入、被リンク、購入者への案内の必要性などを確認して判断します。販売終了ページの処理は、ECカートの仕様やリダイレクト設定にも関係するため、開発担当者やプラットフォームの公式情報を確認してください。
ECサイトのSEOツール導入で最初に見るべき指標は何ですか?
最初は、次の指標を確認するとよいでしょう。
- オーガニック検索のクリック数
- 表示回数
- CTR
- 平均掲載順位
- 重要ページのインデックス状況
- 商品・カテゴリ別の自然検索流入
- カート追加数
- 購入数
- SEO経由の収益
- 404やリダイレクトエラー
- 重複や不要なURLの数
検索順位だけでなく、売上や購入まで確認できる指標設計にすることが重要です。
著者
ECのミカタ マーケティング事業部
ECのミカタ
ECのミカタ マーケティング事業部では、通販運用に10年以上携わってきたメンバーが、これまでに培った知見と現場での経験をもとに、EC・通販事業者の皆さまに役立つ情報を発信しています。集客・広告運用、CRM、商品ページ改善、物流、決済、リピート施策など、日々変化するEC市場の動向を捉えながら、実務に活かしやすい視点で分かりやすく解説します。事業者の皆さまが抱える課題や成長のヒントにつながるよう、一次情報や実践から得られた気づきを大切にし、信頼できる情報を継続的に更新してまいります。
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