ECとは?電子商取引の仕組み・種類・始め方をわかりやすく解説

ECとは何かを知りたい方に向けて、電子商取引の意味や仕組み、BtoC・BtoB・CtoC・D2Cの違い、メリット・デメリット、ECサイトの始め方をわかりやすく解説します。
ECとは、インターネットなどの電子ネットワーク上で、商品やサービスを売買する「電子商取引」のことです。一般的にはネットショップをイメージしやすいものの、企業間の受発注、オンライン決済、チケット予約、デジタルコンテンツの販売、SaaSの契約などもECに含まれます。
ECには、企業が消費者に販売するBtoC、企業間で取引するBtoB、個人同士が売買するCtoCなど、複数の取引モデルがあります。自社の商材や顧客、営業体制、物流・受注業務に合ったモデルを選び、販売サイトだけでなく取引全体を設計することが、ECを成功させる第一歩です。
本記事では、ECの意味や仕組み、代表的な種類、メリット・デメリット、立ち上げ手順をわかりやすく解説します。これからECを始めたい事業者や、既存の販売業務をオンライン化したい担当者は、ぜひ参考にしてください。
ECとは?電子商取引の意味と対象範囲
ECは「Electronic Commerce」の略称で、日本語では「電子商取引」と訳されます。
広い意味では、インターネットや専用のネットワークを通じて、商品・サービスの注文、販売、契約、決済、予約などを行う取引全般を指します。
そのため、ECは単に「Webサイト上で商品を販売すること」ではありません。たとえば、次のような取引もECに該当します。
- 自社ネットショップで消費者に商品を販売する
- 企業間の受発注をWebシステムで行う
- オンラインでホテルや旅行を予約する
- 映画やイベントのチケットを購入する
- 電子書籍や音楽、動画を購入・視聴する
- クラウド型の業務システムをオンライン契約する
- 定額制サービスの申し込みや月額決済を行う
- 個人同士で中古品やハンドメイド商品を売買する
実店舗での販売では、来店、商品確認、注文、会計、商品受け取りといった行動が店舗内で行われます。一方、ECでは販売・購入・決済・顧客対応などの一部または全部をオンラインで実行できます。
ただし、すべてがオンラインで完結するとは限りません。商品を配送する場合は、注文や決済はオンラインでも、梱包・出荷・配送はオフラインで行われます。ECを考える際は、「どの工程をオンライン化するのか」を切り分けて設計することが重要です。
ECで扱われる主な商品・サービス
ECの対象は、有形の商品だけではありません。商材の性質によって、販売方法や必要な機能、提供方法が変わります。
商材の種類 | 具体例 | 主な提供方法 | 必要になりやすい機能・業務 |
|---|---|---|---|
物販商品 | 食品、衣類、化粧品、家電、家具 | 梱包・配送 | 商品情報、在庫管理、配送管理、返品対応 |
デジタル商品 | 電子書籍、動画、音楽、画像、教材 | 購入後にオンライン提供 | ダウンロード、閲覧権限、会員管理 |
サブスクリプション | 定期便、動画配信、ソフトウェア | 継続的に提供 | 定期決済、契約更新、解約管理 |
予約サービス | 宿泊、飲食、レッスン、医療予約 | 指定日時に提供 | 予約枠管理、リマインド、キャンセル処理 |
チケット | イベント、交通、施設入場券 | 電子チケットまたは紙 | 発券、本人確認、利用済み管理 |
SaaS・業務サービス | 会計、勤怠、営業支援ツール | アカウント発行後に提供 | 契約管理、権限設定、利用料請求 |
たとえば、食品ECでは、冷蔵・冷凍配送、賞味期限、温度帯、配送日時指定などが重要になります。デジタルコンテンツであれば、在庫ではなく、購入者が閲覧・ダウンロードできる権限管理が必要です。
同じECでも、商材によって運営の重点は異なります。ECサイトを作る前に、「何を売るか」だけでなく、「どのように提供するか」「購入後にどのような対応が必要か」まで整理しましょう。
ネットショップとECの違い
ネットショップは、主に一般消費者向けの商品販売サイトを指す言葉として使われます。一方、ECはネットショップよりも広い概念です。
用語 | 主な意味 | 対象範囲 |
|---|---|---|
ネットショップ | インターネット上の商品販売店 | 主にBtoCの物販 |
ECサイト | 商品・サービスをオンラインで販売するWebサイト | BtoC、BtoB、予約、デジタル販売など |
EC | 電子ネットワークを利用した取引全般 | 販売、受発注、契約、決済、予約など |
マーケットプレイス | 複数の出品者と購入者をつなぐ取引の場 | 個人間、企業間、企業・消費者間など |
BtoBの受発注システムや、複数の事業者が出店するマーケットプレイス、オンラインでの契約・決済もECに含まれます。
したがって、事業者がECを始める際は、「ネットショップを作る」という視点だけでは不十分です。顧客が商品を知り、比較し、注文し、支払い、商品やサービスを受け取り、問い合わせや再購入を行うまでの取引全体をデジタル化する視点が求められます。
ECの仕組み|注文から商品・サービス提供までの流れ
ECは、顧客が見る販売サイトだけで成り立っているわけではありません。
顧客接点となるフロント側と、受注・在庫・出荷・顧客対応を担うバックエンド側が連携して、初めて安定した運営が可能になります。
基本的な流れは、次のとおりです。
- 顧客が商品・サービスを探す
- 商品情報や価格、条件を確認する
- カートに商品を入れ、注文情報を入力する
- 決済方法を選択して支払う
- 事業者が受注・在庫・決済情報を確認する
- 商品を出荷、またはサービスを提供する
- 購入後の問い合わせ、返品、再購入に対応する
ECの基本フロー
工程 | 顧客側の行動 | 事業者側で必要な対応 | 主な確認項目 |
|---|---|---|---|
商品閲覧 | 商品を探す・比較する | 商品情報、価格、在庫、画像を掲載する | 商品名、仕様、サイズ、納期、販売条件 |
注文 | カート投入・購入手続きを行う | 受注情報を取得し、在庫を引き当てる | 注文内容、数量、届け先、在庫数 |
決済 | クレジットカード・ID決済などで支払う | 決済事業者と連携し、支払いを確定する | 決済結果、支払方法、返金条件 |
受注処理 | 注文完了メールを受け取る | 受注確認、納期確認、必要に応じた問い合わせを行う | 欠品、重複注文、不正注文 |
出荷・提供 | 商品を受け取る、サービスを利用する | 梱包、出荷、配送通知、デジタル提供を行う | 出荷期限、配送先、提供権限 |
購入後対応 | 問い合わせ・返品・再購入を行う | CS対応、返品処理、レビュー・CRM施策を行う | 返品可否、返金状況、問い合わせ履歴 |
この中で見落とされやすいのが、受注後の処理です。
注文が増えると、次のような問題が起こりやすくなります。
- 受注メールの確認漏れ
- 在庫数と販売可能数の不一致
- 出荷指示の遅れ
- 住所や配送先の入力ミス
- 決済エラーへの対応漏れ
- 返品・キャンセル処理の遅延
- 顧客からの問い合わせ履歴の分散
ECを始める際は、販売サイトのデザインや集客だけでなく、受注が入った後の業務フローを先に整理しておくことが大切です。
ECでよく使われる関連用語
ECサイト
商品やサービスを販売するWebサイトです。自社で運営するサイトのほか、モール内の店舗ページやBtoB専用の受発注サイトもECサイトに含まれます。
カート
顧客が購入する商品を一時的に保存し、注文手続きへ進むための機能です。数量変更、クーポン適用、送料計算、購入金額の表示などを担います。
決済代行
クレジットカード、コンビニ払い、銀行振込、後払い、電子マネーなど、複数の決済手段をEC事業者に代わってまとめて提供する仕組みです。
決済手段を増やすと利便性が高まる一方、手数料や入金サイクル、返金手続き、審査条件などの確認が必要です。
受注管理システム(OMS)
Order Management Systemの略で、注文情報を一元管理するシステムです。自社EC、モール、店舗、電話注文など複数の販売チャネルを運営する場合に、受注情報の集約や処理状況の管理に使われます。
在庫管理システム
商品の入荷、出庫、在庫数、引当数、欠品状況などを管理するシステムです。販売チャネルが増えるほど、在庫の一元管理が重要になります。
WMS
Warehouse Management Systemの略で、倉庫管理システムを指します。入荷、棚入れ、ピッキング、検品、梱包、出荷など、倉庫内の作業を管理します。
CRM
Customer Relationship Managementの略で、顧客関係管理を意味します。購入履歴、問い合わせ履歴、会員情報などをもとに、メール配信、キャンペーン、再購入促進などを行います。
モール
複数の店舗が出店するオンライン上の商業施設です。モール側が集客や決済、出店機能を提供する一方、出店料や販売手数料、運営ルールが設定されている場合があります。
マーケットプレイス
複数の販売者と購入者をつなぐ取引基盤です。運営者が商品を仕入れて販売するのではなく、出品者が登録した商品を購入者が選ぶ形式が一般的です。
ECの主な種類|BtoC・BtoB・CtoC・D2Cの違い
ECは、誰が誰に販売するかによって、必要な機能や運営方法が大きく変わります。
代表的な取引モデルは、BtoC、BtoB、CtoCです。加えて、メーカーやブランドが中間業者を介さず消費者に直接販売するD2Cも、ECと相性のよいビジネスモデルとして知られています。
EC取引モデルの比較表
取引モデル | 取引主体 | 主な特徴 | 代表的な商材・利用場面 | 運営上の主な論点 |
|---|---|---|---|---|
BtoC-EC | 企業→一般消費者 | 個人向けに商品・サービスを販売する | アパレル、食品、化粧品、家電、定期便 | 集客、購入率、配送、顧客対応、リピート施策 |
BtoB-EC | 企業→企業 | 企業間の受発注をオンライン化する | 卸売、部品、資材、業務用品、法人向けサービス | 掛け払い、承認、取引条件、基幹システム連携 |
CtoC-EC | 個人→個人 | 個人同士で商品やサービスを売買する | 中古品、ハンドメイド、個人間チケット取引 | 出品審査、本人確認、トラブル対応、取引安全性 |
D2C | メーカー・ブランド→消費者 | 中間流通を介さず、顧客と直接つながる | 食品、化粧品、衣類、オリジナル商品 | ブランド構築、物流、CRM、顧客データ活用 |
BtoC-ECとは
BtoCは「Business to Consumer」の略で、企業が一般消費者に商品やサービスを販売する取引です。
消費者がスマートフォンやパソコンから商品を探し、注文・決済を行い、企業が商品を配送する形が一般的です。
BtoC-ECでは、次のような要素が成果に直結します。
- 商品を見つけてもらうための集客
- 商品の魅力や違いを伝えるページ
- スムーズな購入手続き
- 配送日時や送料のわかりやすさ
- 問い合わせへの迅速な対応
- 購入後のレビューや再購入促進
- 顧客情報や購買履歴を活用したCRM
実店舗と比べて商圏を広げやすい一方、顧客が商品を直接手に取れないため、写真、動画、サイズ情報、原材料、利用シーン、レビューなどの情報設計が重要です。
また、BtoCでは、初回購入だけでなく、2回目以降の購入を増やす仕組みも欠かせません。購入後のメール、定期購入、関連商品の提案、会員ランク、キャンペーンなどを組み合わせ、顧客との継続的な関係を構築します。
BtoB-ECとは
BtoBは「Business to Business」の略で、企業が企業に商品やサービスを販売する取引です。
卸売、製造業、建設資材、部品、オフィス用品、業務用食品など、幅広い分野で導入されています。
BtoB-ECでは、BtoCのような不特定多数向けの販売とは異なり、取引先ごとに価格や条件が異なるケースがあります。そのため、次のような機能が求められやすくなります。
- 取引先ごとの販売価格設定
- 取引先別の商品表示
- 見積もり・受注・承認フロー
- 掛け払い・請求書払い
- 最低発注数量やロット設定
- 納品先の複数登録
- 担当者・部署ごとの権限管理
- 基幹システムや在庫システムとの連携
- 過去の購入履歴を利用した再注文
BtoB-ECの目的は、売上を増やすことだけではありません。電話、FAX、メール、紙の注文書などに分散していた受注業務を整理し、入力作業や確認作業を減らすことも重要な目的です。
取引先にとっても、営業時間外に注文できる、過去の注文履歴を確認できる、同じ商品を再注文しやすいといったメリットがあります。
ただし、BtoBでは、既存の商習慣や営業担当者との関係があるため、単純に「注文をWebへ移行する」だけでは定着しません。営業部門とEC部門の役割を整理し、取引先にとって利用するメリットを明確にする必要があります。
CtoC-ECとは
CtoCは「Consumer to Consumer」の略で、個人同士が商品やサービスを売買する取引です。
代表例として、中古品、不要品、ハンドメイド商品などの個人間取引が挙げられます。多くの場合、マーケットプレイス型のサービスを通じて出品・購入・決済・配送を行います。
CtoC-ECでは、事業者が商品を仕入れて販売するのではなく、個人が出品者となる点が特徴です。そのため、次のような仕組みが重要です。
- 出品情報の登録
- 本人確認
- 不正出品や模倣品の監視
- 決済代金の一時預かり
- 取引評価
- 出品者と購入者間のトラブル対応
- 禁止商品の管理
経済産業省の調査では、2024年の国内CtoC-EC市場規模は2兆5,269億円と推計されています。ただし、この推計には、実際にはBtoBやBtoCに該当する取引が含まれる場合もあるため、数値の定義には注意が必要です。 (meti.go.jp)
D2Cとは
D2Cは「Direct to Consumer」の略で、メーカーやブランドが卸売業者や小売店などの中間流通を介さず、消費者に直接販売するビジネスモデルです。
自社ECを中心に展開するケースが多いものの、D2Cと自社ECは同じ意味ではありません。自社ECを運営していても、仕入れ商品を販売している場合は、一般にD2Cとは区別されます。
D2Cの特徴は、商品開発から販売、顧客対応、データ活用までを自社で一貫して行いやすいことです。
一方で、集客、物流、CS、返品、広告、商品開発などを自社で担う必要があります。D2Cを始める場合は、販売サイトの構築だけでなく、ブランドの独自性と継続購入につながる商品設計が重要です。
日本のEC市場規模の推移
日本のEC市場は、長期的に拡大傾向にあります。
経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は26.1兆円で、2023年の24.8兆円から5.1%増加しました。BtoB-EC市場規模は514.4兆円で、2023年の465.2兆円から10.6%増加しています。 (meti.go.jp)
BtoC・BtoB・CtoCの市場規模
区分 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2024年の前年比 |
|---|---|---|---|---|
BtoC-EC | 22.7兆円 | 24.8兆円 | 26.1兆円 | 5.1%増 |
BtoB-EC | 420.2兆円 | 465.2兆円 | 514.4兆円 | 10.6%増 |
CtoC-EC | — | 2兆4,817億円 | 2兆5,269億円 | 1.82%増 |
※市場規模の定義や推計方法は、各調査区分によって異なります。CtoC-ECの数値は経済産業省による推計です。 (meti.go.jp)
BtoC-ECでは、物販だけでなく旅行やチケットなどのサービス分野、オンラインゲームなどのデジタル分野も含まれます。したがって、「EC市場」と聞いたときは、物販だけを指しているのか、サービス・デジタル分野を含んでいるのかを確認する必要があります。
EC化率とは
EC化率とは、すべての商取引金額に占める電子商取引の割合です。
経済産業省の2024年調査では、BtoC-ECのEC化率は9.8%、BtoB-ECのEC化率は43.1%でした。ただし、BtoC-ECでは物販系分野、BtoB-ECでは一定の業種区分を対象に算出されているため、市場全体を単純に割った数値ではありません。 (meti.go.jp)
指標 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
|---|---|---|---|
BtoC-EC化率 | 9.13% | 9.38% | 9.8% |
BtoB-EC化率 | 37.5% | 40.0% | 43.1% |
EC化率は、自社のEC導入を検討する際の参考になります。ただし、業界平均のEC化率が高いからといって、自社も同じ成果を得られるとは限りません。
顧客がどのような購買行動をしているか、競合がどの販売チャネルを使っているか、オンラインで提供しやすい商材か、社内の受注体制を整えられるかを確認することが重要です。
ECのメリット
ECには、実店舗や従来の受注方法にはないメリットがあります。
商圏を広げやすい
実店舗は立地や営業時間の影響を受けますが、ECではインターネットを通じて、地域外の顧客にも商品を届けられます。
地域特産品や専門性の高い商材など、近隣の店舗だけでは十分な顧客数を確保しにくい商品でも、全国の見込み客に情報を届けられる可能性があります。
ただし、ECを開設しただけで全国から注文が集まるわけではありません。検索対策、広告、SNS、メール、モール内施策など、顧客に見つけてもらうための集客が必要です。
24時間注文を受け付けられる
ECでは、店舗の営業時間外でも商品情報を閲覧し、注文を受け付けられます。
BtoBの場合は、取引先が自社の業務時間に合わせて発注できるため、電話やメールでの注文に比べて利便性が高まる場合があります。
ただし、注文を24時間受け付けても、出荷や問い合わせへの対応まで24時間行えるとは限りません。受付時間、出荷日、問い合わせ対応時間を明記し、顧客の期待値を適切に管理しましょう。
業務を標準化しやすい
ECでは、商品情報や注文情報をデータとして管理できます。
紙や電話で受注していた場合、担当者による入力や確認のばらつきが起こりやすくなります。EC化によって入力項目や処理手順を標準化すれば、担当者が変わっても同じ流れで処理しやすくなります。
特にBtoBでは、注文内容を基幹システムや在庫管理システムに連携することで、手入力の削減や確認作業の効率化が期待できます。
顧客データを活用できる
ECでは、閲覧履歴、購入履歴、購入頻度、注文金額、問い合わせ履歴などを蓄積できます。
これらのデータを分析することで、次のような施策が可能になります。
- 初回購入者へのフォロー
- 一定期間購入がない顧客への案内
- 購入商品に関連する商品の提案
- 顧客属性に応じたキャンペーン
- 定期購入や契約更新の案内
- 商品ページや購入導線の改善
ただし、顧客データを扱う際は、利用目的、取得方法、社内のアクセス権限、保管方法などを整理する必要があります。個人情報の取り扱いについては、適用される法令やガイドラインを確認し、必要に応じて専門家に相談しましょう。
販売状況を数値で把握しやすい
ECでは、売上、注文数、購入単価、流入元、カート投入、離脱などを計測できます。
実店舗では把握しにくい顧客行動も、アクセス解析や注文データを組み合わせることで、改善の手がかりを得られます。
ただし、指標を増やしすぎると、何を改善すべきか分からなくなります。最初は次のように目的と指標を対応させて設定するとよいでしょう。
目的 | 確認する指標の例 | 改善の方向性 |
|---|---|---|
訪問者を増やす | 流入数、検索表示、広告クリック | SEO、広告、SNS、コンテンツ |
購入者を増やす | 購入率、カート投入率、離脱率 | 商品ページ、入力項目、送料表示 |
売上を増やす | 売上高、注文数、平均注文単価 | セット販売、関連商品、価格設計 |
リピートを増やす | 再購入率、購入間隔、解約率 | CRM、定期便、購入後フォロー |
業務を効率化する | 受注処理時間、出荷遅延、問い合わせ件数 | システム連携、業務標準化 |
ECのデメリット・注意点
ECは便利な一方、始めれば自動的に売上が増えるわけではありません。
初期費用と運用負担が発生する
ECには、サイト構築費用だけでなく、次のような運用負担があります。
- 商品撮影や原稿作成
- 商品登録と情報更新
- 在庫管理
- 受注処理
- 梱包・出荷
- 決済確認
- 問い合わせ対応
- 返品・キャンセル処理
- 集客・広告運用
- システム保守・セキュリティ対応
サービスや構築方法によって料金体系は異なるため、料金だけで比較するのは危険です。月額費用、販売手数料、決済手数料、初期費用、オプション料金、外部連携費用、解約条件などを含め、想定売上と業務量に応じて比較しましょう。
商品を直接確認してもらえない
ECでは、顧客が実物を手に取れません。
サイズ感、質感、香り、重量、使い勝手など、画面だけでは伝わりにくい情報があります。そのため、写真や動画、寸法、素材、使用感、比較表、レビューなどを用いて、不安を減らす必要があります。
返品条件や交換条件が分かりにくいと、購入をためらわれたり、購入後のトラブルにつながったりします。商品ページだけでなく、送料、返品、キャンセル、配送日数などの情報を購入前に確認できる状態にしましょう。
集客競争がある
ECでは、地域の商圏に限定されない一方、全国の競合と比較されます。
価格、品ぞろえ、配送条件、レビュー、ブランド、コンテンツなど、さまざまな要素で比較されるため、自社商品の強みを明確にする必要があります。
「良い商品だから売れる」と考えるのではなく、誰のどの課題を解決する商品なのか、競合商品と何が違うのか、なぜ自社から買うのかを言語化しましょう。
受注や物流の負荷が増える
注文数が増えると、売上だけでなく、出荷件数、問い合わせ、返品、在庫確認なども増加します。
特に、セールや広告で注文を急増させる場合は、受注・物流・CSの処理能力を事前に確認する必要があります。販売開始前に、1日あたりの処理可能件数、出荷締め時間、欠品時の対応、問い合わせの担当者を決めておきましょう。
セキュリティや法令対応が必要になる
ECでは、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、決済情報などの重要な情報を扱います。
不正アクセス、アカウント乗っ取り、フィッシング、情報漏えい、なりすまし注文などへの対策が必要です。パスワード管理、管理画面の権限設定、多要素認証、OS・ソフトウェアの更新、ログの確認、委託先管理などを社内ルールとして整備しましょう。
また、通信販売に関する表示、個人情報の取り扱い、景品表示、商品の表示、特定商取引に関する規定など、事業内容に応じて確認すべき法令があります。法令やプラットフォームの仕様は変更される可能性があるため、公開前に各省庁・自治体・利用サービスの公式情報を確認し、判断が難しい場合は弁護士、行政書士、税理士などの専門家へ相談してください。
ECを始める方法|立ち上げの基本手順
ECを始めるときは、いきなりサイト制作に着手するのではなく、事業計画、顧客、商材、業務体制、システムの順に整理すると失敗を抑えやすくなります。
1. ECの目的を決める
最初に、「なぜECを始めるのか」を明確にします。
目的によって、必要な機能やKPIが異なります。
ECを始める目的 | 重視するポイント | 主なKPIの例 |
|---|---|---|
新規顧客を増やす | 集客、商品認知、初回購入 | 新規訪問者数、購入率、新規購入者数 |
店舗外の売上を作る | 品ぞろえ、配送、オンライン接客 | EC売上、注文数、平均注文単価 |
既存顧客の利便性を高める | 再注文、会員機能、購入履歴 | 再購入率、購入間隔、問い合わせ数 |
BtoB受注を効率化する | 受発注、承認、掛け払い、連携 | 受注処理時間、Web受注率、入力ミス |
ブランドを育てる | コンテンツ、CRM、顧客体験 | 指名流入、会員数、継続購入率 |
海外販売を始める | 多言語、決済、関税、物流 | 国別売上、配送完了率、返品率 |
目的が曖昧なまま始めると、必要以上に高機能なシステムを導入したり、売上だけを追って業務が回らなくなったりします。
2. 顧客と商材を定義する
次に、誰に何を売るのかを具体化します。
BtoCなら、年齢や性別だけでなく、購入目的、利用シーン、悩み、比較対象、購入頻度まで整理します。
BtoBなら、会社の規模、業種、発注担当者、承認者、購入頻度、発注単位、支払い条件などを確認します。
以下の項目を1枚のシートにまとめると、サイト構成や商品情報を決めやすくなります。
- 主な顧客は誰か
- 顧客はどのような課題を抱えているか
- 現在はどの方法で購入しているか
- 購入時に比較する項目は何か
- どの価格帯なら購入しやすいか
- 注文頻度や一度の注文量はどの程度か
- 商品を受け取るまでに許容される日数は何日か
- 購入を妨げる不安は何か
- 購入後に必要なサポートは何か
3. 販売チャネルを選ぶ
ECの販売チャネルには、自社EC、モール、マーケットプレイス、SNS・外部サービスなどがあります。
販売チャネル | メリット | 注意点 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
自社EC | ブランドや顧客体験を設計しやすい | 集客を自社で行う必要がある | 独自商品、リピート商材、顧客データを活用したい企業 |
モール | 既存の集客基盤を利用しやすい | 手数料やルール、価格競争に注意 | 早期に販売を始めたい、モール内検索を活用したい企業 |
BtoB専用サイト | 取引先別条件や受発注を設計しやすい | 既存業務や基幹システムとの連携が必要 | 卸売、法人取引、定期発注が多い企業 |
マーケットプレイス | 出品者と購入者をつなぎやすい | 出品管理、審査、トラブル対応が必要 | 多数の出品者を集める事業者 |
SNS・外部販売機能 | 商品発見から購入までの導線を作りやすい | 仕様変更やアカウント依存に注意 | SNSで商品を知ってもらいやすい商材 |
販売チャネルは、1つに絞る必要はありません。ただし、チャネルが増えるほど、商品情報、在庫、受注、問い合わせ、返品の管理が複雑になります。
最初から複数チャネルに広げるより、1つのチャネルで受注・出荷・顧客対応の流れを安定させ、その後に拡張する方法も有効です。
4. ECの構築方法を決める
ECの構築方法には、大きく分けて次の選択肢があります。
- ASP・クラウド型
- オープンソース型
- パッケージ型
- フルスクラッチ型
- モール出店型
構築方法は、初期費用だけでなく、必要な機能、運用体制、カスタマイズ性、将来の拡張性で比較します。
構築方法 | 特徴 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
ASP・クラウド型 | 基盤が提供され、設定して利用する | 短期間で始めやすい | 独自要件や外部連携に制約がある場合がある |
オープンソース型 | ソースコードを利用して構築する | 拡張性や自由度がある | 保守・セキュリティ対応を自社または委託先で担う |
パッケージ型 | EC向けの機能をまとめた製品を導入する | 業務要件に対応しやすい | 導入費用や改修費用が大きくなる場合がある |
フルスクラッチ型 | 自社要件に合わせて個別開発する | 独自業務に合わせやすい | 開発期間、費用、保守負担が大きい |
モール出店型 | モール内に店舗を開設する | 集客基盤を利用しやすい | 販売手数料、規約、顧客接点の制約を確認する |
選定時は、次の項目を比較しましょう。
- 必要な販売機能があるか
- BtoBの場合、取引先別価格に対応できるか
- 決済手段が自社顧客に合っているか
- 在庫・受注・会計システムと連携できるか
- データを出力できるか
- 管理画面が現場で使いやすいか
- 拡張や追加開発の費用が明確か
- 障害発生時のサポート体制があるか
- セキュリティやバックアップの責任範囲が明確か
- 解約時にデータを移行できるか
特定のサービスがすべての事業者に適しているわけではありません。候補を2~3種類に絞り、実際の業務シナリオに沿ってデモやトライアルを確認するとよいでしょう。
5. 商品情報と販売条件を整える
ECでは、販売員が対面で説明できないため、商品ページが営業資料の役割を担います。
最低限、次の情報を整理します。
- 商品名
- 商品画像
- 商品の特徴
- サイズ・重量・容量
- 素材・原材料
- 使用方法
- 対象者・利用シーン
- 価格
- 送料
- 在庫・納期
- 返品・交換条件
- 注意事項
- 問い合わせ方法
BtoBでは、さらに次の情報が必要になる場合があります。
- 最低発注数量
- ロット
- ケース入数
- 納品リードタイム
- 取引先別価格
- 見積もり条件
- 支払い条件
- 納品書・請求書の発行方法
- サンプル提供の有無
商品ページは、公開後も改善します。問い合わせ内容や返品理由を確認し、顧客が迷いやすい情報を追加していきましょう。
6. 決済・配送・返品を設計する
ECでは、購入手続きだけでなく、購入後の体験も重要です。
決済では、顧客の利用実態と事業者側の管理負担を考慮します。BtoCではカード決済や各種ID決済、後払いなどが候補になります。BtoBでは、請求書払い、掛け払い、銀行振込、取引先別の締め支払いなどが検討対象になります。
配送では、次の項目を決めます。
- 配送会社
- 配送料金
- 送料無料条件
- 出荷曜日
- 出荷締め時間
- 配送日時指定
- 冷蔵・冷凍などの温度帯
- 離島や海外への対応
- 破損・紛失時の責任範囲
返品・キャンセルでは、顧客都合と事業者都合を分け、受付期限、返送料、返金方法、交換条件を整理します。
7. 受注・在庫・物流の業務フローを作る
EC開始前に、注文が入ってから売上計上・出荷・問い合わせ対応を行うまでの流れを図にします。
たとえば、次のような項目を決めます。
- 注文を誰が確認するか
- 決済エラーを誰が確認するか
- 在庫不足時にどう対応するか
- 受注内容をどのシステムへ登録するか
- 出荷指示をいつ出すか
- 出荷完了をどのように通知するか
- 問い合わせの一次対応者は誰か
- 返品商品をどこで確認するか
- 返金処理をいつ実行するか
- 障害時に誰へエスカレーションするか
担当者の経験だけに依存せず、手順書やチェックシートに落とし込むことが重要です。
8. テスト注文を実施する
公開前には、実際の顧客が行う流れを再現して確認します。
テスト注文では、次のパターンを用意しましょう。
- 通常の商品購入
- 複数商品の同時購入
- 在庫切れ商品の購入
- クーポン利用
- 配送日時指定
- 決済エラー
- 注文キャンセル
- 返品・返金
- 会員登録・退会
- パスワード再発行
- スマートフォンでの購入
- BtoBの承認・見積もり・請求書払い
確認するのは、画面表示だけではありません。注文メール、管理画面、在庫数、決済結果、出荷指示、配送通知、会計処理まで一連の流れを確認します。
EC運営で成果を高めるポイント
商品ページは「購入前の不安」を解消する
商品ページで重要なのは、特徴を一方的に伝えることではなく、顧客が購入前に感じる不安を解消することです。
たとえば、アパレルならサイズ感や着用者の身長、食品なら内容量や保存方法、化粧品なら使用方法や対象肌、部品なら対応機種や互換性を明記します。
商品ページを改善する際は、次の順番で確認すると効率的です。
- 商品の用途が一目で分かるか
- 他の商品との違いが分かるか
- 価格と送料が分かるか
- 届く時期が分かるか
- 購入に必要な情報がそろっているか
- 返品・交換条件を確認できるか
- 問い合わせ先が分かるか
購入手続きを短く、分かりやすくする
カートに商品を入れても、入力項目が多い、送料が最後まで分からない、エラーの原因が分からないといった理由で購入を中断される可能性があります。
購入手続きでは、次の点を確認します。
- 必須項目を必要最小限にする
- 郵便番号から住所を補完できるようにする
- ゲスト購入の可否を検討する
- 送料や手数料を早い段階で表示する
- 入力エラーを項目の近くに表示する
- スマートフォンで入力しやすくする
- 注文完了画面とメールを分かりやすくする
BtoBの場合は、入力項目を減らすだけでなく、再注文や複数商品の一括注文をしやすくする設計が有効です。
集客は顧客の検討段階に合わせる
ECの集客には、検索、広告、SNS、メール、紹介、モール内検索などがあります。
顧客がすでに購入意欲を持っているのか、まず課題を認識する段階なのかによって、提供する情報を変えます。
- 課題を認識する段階:ノウハウ記事、事例、動画
- 商品を比較する段階:比較表、仕様、レビュー、導入事例
- 購入を決める段階:価格、在庫、納期、キャンペーン
- 購入後の段階:使い方、FAQ、関連商品、再購入案内
「アクセス数を増やす」だけではなく、「どの顧客を、どの商品ページへ、どの導線で送るか」を設計しましょう。
KPIは段階的に設定する
立ち上げ直後から多くの指標を追う必要はありません。
まずは、事業目標につながる少数の指標を設定します。
BtoCなら、売上、注文数、平均注文単価、購入率、リピート状況などが基本です。BtoBなら、Web受注率、受注処理時間、入力ミス、取引先の利用率、再注文率などを確認します。
KPIは月次で確認し、数値が変化した理由を仮説化して、商品ページ、導線、在庫、配送、顧客対応のどこを改善するか決めます。
ECを始める前の実行用チェックリスト
公開前に、次の項目を確認しましょう。
事業計画
- [ ] ECを始める目的を1文で説明できる
- [ ] 主な顧客像を整理している
- [ ] 販売する商品・サービスを決めている
- [ ] 競合や代替手段を確認している
- [ ] 売上だけでなく、業務効率化などの目的も整理している
- [ ] 初期費用と月々の運用費を試算している
- [ ] 目標売上、注文数、受注件数を設定している
チャネル・システム
- [ ] 自社EC、モールなどの販売チャネルを選定している
- [ ] 構築方法を必要機能と運用体制で比較している
- [ ] 決済方法と手数料・入金条件を確認している
- [ ] 在庫・受注・会計システムとの連携を確認している
- [ ] 管理画面の権限設定を決めている
- [ ] 障害時の問い合わせ先を把握している
- [ ] データのバックアップ・出力方法を確認している
商品・販売条件
- [ ] 商品名、画像、価格、仕様を登録している
- [ ] 在庫数と販売可能数が一致している
- [ ] 送料と配送予定日を表示している
- [ ] 返品・交換・キャンセル条件を表示している
- [ ] 注意事項や利用条件を記載している
- [ ] BtoBの場合、価格・ロット・掛け払い条件を設定している
業務・物流
- [ ] 注文確認の担当者を決めている
- [ ] 決済エラー時の対応手順がある
- [ ] 欠品・納期遅延時の連絡方法を決めている
- [ ] 出荷締め時間と出荷日を設定している
- [ ] 梱包資材と作業スペースを確保している
- [ ] 返品・返金の処理担当者を決めている
- [ ] 問い合わせ対応のテンプレートを用意している
法令・セキュリティ
- [ ] 通信販売に必要な表示を確認している
- [ ] 個人情報の取得・利用・保管方法を確認している
- [ ] 商品や広告に関する表示を確認している
- [ ] 管理画面のID・パスワードを適切に管理している
- [ ] 多要素認証など利用可能なセキュリティ機能を確認している
- [ ] 利用するサービスの規約・仕様を確認している
- [ ] 不明点を専門家や公式窓口に相談している
公開前テスト
- [ ] スマートフォンとパソコンで表示を確認した
- [ ] テスト注文を実施した
- [ ] 注文メールが届くことを確認した
- [ ] 在庫が正しく減ることを確認した
- [ ] 決済結果が管理画面に反映されることを確認した
- [ ] 出荷通知が送信されることを確認した
- [ ] キャンセル・返金処理を確認した
- [ ] 問い合わせ窓口が機能することを確認した
ECを始める際によくある失敗
サイト制作を先に進めてしまう
サイトのデザインや機能を先に決めると、実際の業務に合わない仕組みになる場合があります。
先に、顧客、商品、注文、決済、在庫、配送、返品、問い合わせの流れを整理し、その後に必要な機能を決めましょう。
すべての商品を一度に登録する
商品数が多い企業では、最初から全商品を登録しようとすると、公開までに時間がかかり、情報の品質もばらつきやすくなります。
まずは、売れ筋商品、利益率の高い商品、オンライン販売に適した商品、問い合わせが多い商品など、目的に合う商品を選んで小さく始める方法があります。
売上だけを目標にする
EC運営では、売上が増えるほど受注、出荷、問い合わせ、返品も増えます。
そのため、売上目標と同時に、処理可能な注文数、出荷時間、問い合わせ対応時間、返品処理日数なども確認しましょう。
既存部門との役割分担が曖昧
ECを営業部門、店舗部門、物流部門、情報システム部門のどこが担当するのか不明確だと、問題が起きたときに対応が遅れます。
ECの責任者を置き、部門ごとの役割、承認者、報告方法、緊急連絡先を決めておくことが重要です。
データを蓄積するだけで活用しない
ECでは多くのデータを取得できますが、分析するだけでは改善につながりません。
毎月、重要な数値を確認し、「どのページで離脱したのか」「どの商品で返品が多いのか」「どの顧客が再購入しているのか」など、具体的な仮説を立てて施策に反映しましょう。
よくある質問
ECとは何ですか?
ECとは、インターネットなどの電子ネットワーク上で商品やサービスを売買する「電子商取引」のことです。ネットショップでの商品販売だけでなく、企業間の受発注、オンライン予約、チケット販売、デジタルコンテンツの購入なども含まれます。
ECとネットショップは同じ意味ですか?
同じ意味で使われることもありますが、ECのほうが広い概念です。ネットショップは主に消費者向けの商品販売サイトを指すのに対し、ECにはBtoBの受発注、マーケットプレイス、オンライン契約、予約・決済なども含まれます。
ECにはどのような種類がありますか?
代表的な種類は、企業から消費者へ販売するBtoC、企業間で取引するBtoB、個人間で売買するCtoCです。メーカーやブランドが消費者に直接販売するD2Cも、ECと組み合わせて展開されることがあります。
ECを始めるには何から着手すればよいですか?
まずは、ECを始める目的、顧客、商材、販売チャネル、業務体制を整理します。その後、構築方法、決済、在庫、配送、返品、問い合わせ対応を決め、テスト注文を実施してから公開します。
ECサイトを作れば売上は増えますか?
ECサイトを開設しただけで売上が増えるとは限りません。顧客に見つけてもらうための集客、商品情報の改善、購入しやすい導線、配送や問い合わせ対応、リピート施策が必要です。
BtoBでもECは活用できますか?
活用できます。BtoB-ECでは、電話やFAX、メールで行っていた受発注をオンライン化し、取引先別価格、掛け払い、承認、再注文、基幹システム連携などを実現できます。導入時は、営業部門や経理部門、物流部門との業務分担を整理しましょう。
EC運営で重要なシステムは何ですか?
販売サイトに加えて、決済、受注管理、在庫管理、倉庫管理、配送、CRM、会計などのシステムが関係します。必要なシステムは商材や注文数、販売チャネル、既存の業務環境によって異なるため、先に業務フローを整理してから選定することが大切です。
ECで扱えるのは商品だけですか?
商品だけではありません。デジタルコンテンツ、サブスクリプション、チケット、予約、オンライン講座、SaaSなどもECの対象になり得ます。商材によって、配送管理、利用権限、予約枠、継続決済など必要な機能が変わります。
EC化率とは何ですか?
EC化率とは、すべての商取引金額に占める電子商取引の割合です。算出対象や定義は調査によって異なるため、数値を比較するときは、どの分野・取引を対象にしているかを確認する必要があります。
まとめ
ECとは、インターネットなどを利用して商品・サービスを売買する「電子商取引」です。一般的なネットショップだけでなく、BtoBの受発注、CtoCの個人間取引、オンライン予約、デジタルコンテンツ販売、SaaS契約などもECに含まれます。
ECを始めるときは、次のポイントを押さえましょう。
- ECはネットショップよりも広い概念である
- BtoC、BtoB、CtoCなど取引モデルによって必要な機能が異なる
- 販売サイトだけでなく、受注・決済・在庫・物流・CSまで設計する
- 目的と顧客を明確にしてから販売チャネルを選ぶ
- 初期費用だけでなく、手数料、運用負担、連携、サポートを比較する
- 公開前にテスト注文を行い、実際の業務フローを確認する
- 法令、税務、個人情報、セキュリティは公式情報や専門家への確認が必要
- 公開後はデータを確認し、商品ページや購入導線、業務フローを継続的に改善する
日本のEC市場は、BtoC・BtoBの双方で拡大が続いています。経済産業省の2024年調査では、国内BtoC-EC市場規模は26.1兆円、BtoB-EC市場規模は514.4兆円でした。 (meti.go.jp)
ただし、市場が成長しているからといって、すべての企業が同じ方法で成功できるわけではありません。自社の顧客が何を求めているのか、どの業務をオンライン化するのか、注文が増えても運営できるのかを確認し、自社に合ったECの形を設計することが重要です。
SEOメタ情報
- SEOタイトル:ECとは?電子商取引の仕組み・種類・始め方をわかりやすく解説
- メタディスクリプション:ECとは何かを知りたい方に向けて、電子商取引の意味や仕組み、BtoC・BtoB・CtoC・D2Cの違い、メリット・デメリット、ECサイトの始め方をわかりやすく解説します。
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著者
ECのミカタ マーケティング事業部
ECのミカタ
ECのミカタ マーケティング事業部では、通販運用に10年以上携わってきたメンバーが、これまでに培った知見と現場での経験をもとに、EC・通販事業者の皆さまに役立つ情報を発信しています。集客・広告運用、CRM、商品ページ改善、物流、決済、リピート施策など、日々変化するEC市場の動向を捉えながら、実務に活かしやすい視点で分かりやすく解説します。事業者の皆さまが抱える課題や成長のヒントにつながるよう、一次情報や実践から得られた気づきを大切にし、信頼できる情報を継続的に更新してまいります。
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